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※注意


「遅刻ですよ。私にはあまり時間が無いんですから」

「……」
「おや、不服そうですね。別に、私としては応えてもらわなくとも構いませんよ。きっちり相応分の呵責を受けて貰えれば何の問題もありませんから」
「…すみません」
「…ならば素直に抱かれなさい。貴女に選択肢など初めから無いんです」


どうして、こうなったのだろうか。

私は死んだ。
死んだはずなのに、一度は闇に包まれた筈なのに、私は意識を持って、地獄へとやってきた。
そしてあの閻魔様に処罰を下される。
嫌だ。どうして私が幾度となく、地獄で苦しまなければいけないの。
その場にしがみついて離れずに、嫌だ!ふざけるな!と喚き、暴れていれば周りの鬼たちは手を付けられずにいた。

そんな時、閻魔様の隣に立っていた鬼、鬼灯様が私を無理矢理にしがみ付く床から剥ぎ取り、法廷から引き摺り出すと、ある提案を出してきた。

「私に抱かれる毎に、百年の減刑を与えてあげましょう。如何ですか?」

一秒でも早く、この陰気臭い地獄から逃げたかった私は、考える間もなく、その提案に乗り出した。
(好きでもない奴に抱かれる事など、地獄での苦しみに比べたらどうって事ないわ)



「ひっ…いっ…いた…痛い…」
「我慢しなさい。そうすれば貴女の処罰がまた百年、減るんですから」
「…う、あ…あああ!」

だが、その考えは甘かったのではないか。私は今、そんな事が頭に過ぎっていた。
種族、体格差などがあるだろうが、鬼の性器は人間とは比べ物にならない程に太く、長いものであった。
そんなものを人間である私の中には収まりきらず、否、入れる事すら出来なかった。
だがしかし、鬼灯様は無理矢理に私の中へとそれを力尽くで捩じ込んだ。
初めて入れられた時には、生きていた時には味わった事のない、裂けた痛み、子宮を貫かれたような感覚を味わったが、私は死ぬ事はもうない。
それ故に、身体は再生されるが、延々と痛みに襲われる。
それと同時に、皮肉にも快感も押し寄せ、痛みの中でも私は何度も絶頂を迎える。痛みと快感を同時に延々に味わっていると、頭が段々とおかしくなる。
少し休ませてほしい。
そう思うにも、鬼灯様は私の身体などまるで気にしておらず、己の快感だけを求め、ひたすらに凶器のような肉棒を出し入れさせた。


「今日は此の位にしましょうか」
「……」
「何か言いたげですね」

鬼灯様も幾度か絶頂を迎え、暫くすると解放される。
思うように動かない身体を地べたへ這い蹲らせ、私は黙り込んだまま鬼灯様を睨んだ。
だが、それ以上に目つきが鋭く蔑むように見下ろす鬼灯様は顔色一つ変える事なく、脱ぎ去った着物を肌に纏わせ、立ち上がった。

「ああ、次は臀部の穴に突っ込んでやりましょうか」
「!…い、嫌」

そして、鬼灯様が態とらしく、思い付きの様に発した言葉に私は一気に顔を青ざめさせる。
あんなものが、尻穴になんて、入る訳がない。
いや、今も無理矢理に捻じ込まれているのだから、尻穴も同様に捩じ込むつもりだ。
今でさえ、叫びにもならない何度も死んだ様な痛みなのに、次はそんな痛みでは済まない。

そう思えば、自然に漏れ出た拒む言葉に、鬼灯様は表情を更に強張らせた。

「ほう。ならば今まで通りで構いませんが、減刑は五十年減らしましょう」
「!そ、そんな…」
「自分の立場もわかっていない愚図同然の亡者が、法廷でも此処でも口答えとは良い度胸ですよ。ますます気に入りました」
「……」


きっと、この鬼は私を地獄から逃がさない。
そう確信した私が絶望に平伏すと、
私へと歩み寄った鬼灯様がそっと耳打ちした。


地獄へようこそ、なまえさん。

「地獄にいる間は、たっぷりと堪能して下さいね」



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