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地獄に落ちてどれ程の年月が経ったのだろうか。
地獄に堕ちて幾度となく身体を痛めつけられ、何度再生が繰り返されただろうか。

どうして、私が地獄になんて堕ちたのだろう。
おかしい。世の中は理不尽だ。


「ほらそこ!!手が止まってますよ!しっかり亡者を呵責しなさい!それでも獄卒ですか!」

ああ、今日はついている。
鬼灯さんが来ている。
初めて鬼灯さんを見たのは亡者である私達人間を裁く法廷とやら。
私は、恋に落ちた。一目惚れだった。
凛として佇む姿が何とも言えない。

鬼灯さんが私を呵責してくれれば、幾ら殴られようが斬り刻まれようが、地獄は天国に変わるのに。


お休みには何をしているのだろうか。
趣味は?好きな食べ物は?
恋人は…誠実そうだもの。きっといないわ。
少しでもあの人を見ていたい。私を認識してほしい。少しでも話がしたい。その冷たい目で見つめてほしい。大きな金棒を担ぐその手で触れてほしい。
もっとあの人の事が知りたいの。
見た所、お偉い役職そうだから、もっと私の罪が重くなれば、あの人が直々に呵責してくれるのではないだろうか。

何だってする。
あの人の視界に映り込む事が出来るのならば、これ以上に酷い仕打ちを受けようが何だろうが何だってするわ。

だって、もう死ぬ事はないのだから。
生前は、一度きりだったもの。



落ちるべくして堕ちるもの





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