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「まだ起きてたの?」
「おう。なんか腹減っちまってよ」

時は丑三つ時。目が覚め夜風に当たろうと甲板へと向かうとルフィが特等席であるライオンのビークヘッドに座り海をぼーっと眺めていた。

「さっき凄く食べてたじゃない」
「食い足らねえんだよ。冷蔵庫も鍵がついちまって盗み食い出来ねえし」

夕食時に暴食を披露したルフィを思い出すとふいに笑みが零れる。だがルフィは満足していなかった様で唇を尖らせた。そんなルフィにそう言えば、とポケットに手を突っ込み掴んだそれをルフィに差し出した。

「今日はこれで我慢ね」
「ん?何だよ飴か。飴じゃ腹膨らまねーよ」
「あ、そう」

折角の人の好意を無下にしたルフィに出した飴をポケットに戻すと何故か目の前には伸びた手が差し出された。

「…なに」
「ないよりマシだ!くれ」
「……」

ニカットと笑うルフィに不服ではあったが再び飴を取り出し伸びた手へと置いた。ルフィは受けとるとすぐさま包み紙を開け飴を口の中へと放り込んだ。

「イチゴ味か」
「うん、あたしの好きな味」
「そうか!うめーな!」

嬉しそうに笑うルフィを見ると先程の不服など忘れ笑みが溢れてしまっていた。

「いつも持ってんのか?」
「うん。島についたら買い溜めるの。今ルフィにあげちゃったので最後だからまた買わなきゃね」
「!なまえはいらなかったのか?」
「お腹空いてるルフィ見てたらあげたくなったから」
「そうか。んじゃ半分こしよう!」
「は?」

突然の言葉に思わず声を漏らすと瞬時に伸ばされた手に腰を掴まれ瞬間移動を遂げた様にルフィの隣へと連れられた。そして状況を理解する前にイチゴ味が口の中で広がった。

「…い、今なに…」
「なっ半分こ!」

ニッと笑うルフィが出した舌にある半分の飴に徐々に状況を理解すと湯気が出そうな程顔が真っ赤になった。

「ばっばか!」



ルフィとはんぶんこ



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