「暇だよーよこやさーん」
「もう少し待っていて下さい」
「……ねーよこやさん、白髪抜いてあげようか?」
「私を禿げさせるつもりですか?なまえさん」
白髪(勿論故意)である私に恐ろしい言葉を放ったなまえさんは暇をもて余すようにソファに寝転がり、足を宙にあげブラブラと動かして拗ねていた。それを横目に私は椅子に腰を掛けパソコンと向かい合っていた。
「仕事、いつ終わるのー?」
「もうすぐ一段落しますから」
仕事をする私に話し掛けてくるなまえさんは余程暇なのであろう。(そろそろ相手をしないとお姫様のご機嫌が悪くなりそうですね…)私はそんな事を考えてゆっくりとパソコンを閉じた。
「さあ、終わりましたよ」
「!ほんと!?」
「(…)ええ」
「やった!えっとねー、じゃあね、じゃあね」
私の一言で一気に顔を明るくさせ、何をしようかと考えるなまえさんはとても愛くるしい。そんななまえさんの顔にそっと触れ、思わず口元を緩ませた。
「まったく…猫みたいなお方だ」
「…あなたに言われたくないんですけど?」
「…何をしようか、思い付きましたよ」
「!なになに?トランプ?」
期待を膨らませた大きな瞳が私を捉えた。(吸い込まれてしまいそうな)私は不適に笑うと、ゆっくりとなまえさんへと顔を寄せた。
「とっても、面白い事です…」
シャブランは静粛に相好を崩す
私はあなたを離さない。
130318
嘘遊戯にて横谷さん。