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隣には大好きなルフィがいた。今日は一緒に寝ようねって約束していたのだ。一緒に寝るとなればそれなりの事は予想しているわけで、私の気持ちは嬉しさと緊張と不安が入り交じっていた。

(…まあ、これも予想してたけどね…)

真っ暗で静かな部屋には大きないびきが聞こえていた。隣には気持ち良さそうに眠るルフィがいた。何事もなく、眠ってしまったルフィにどこか、悲しくなる。もしかして、と考える反面、何もないだろう、と言うことも考えていたんだ。仕様がない。

「…そんなルフィが好きなんだけどね」

ふふ、と小さく笑った。するとルフィがんー、と小さく唸り、うっすらと目を開ける。どうしたの?と問えば目線を下に向け手を左右に動かし始めた。寝ぼけているのだろうか、と暫く様子を見ていると私の手をぎゅ、と掴み、にっと笑った。かと思えば再びいびきが聞こえるまで時間はかからなかった。私は一瞬、呆気にとられたがそんなルフィが可愛くて笑った。そして、握られた手を握り返すとゆっくりと目を閉じた。






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