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今、目の前で起きた事にあたしは何が何だかわからずにいた。わかる事といえば敵が襲いかかってきた事。皆が泣いている事。ルフィが目を瞑って倒れている事。

ルフィが、死んだ?


少し前の事を思い出す。あたしが敵に襲われそうになって、それをルフィが庇って、敵の突き刺した刀がルフィの体を、貫いた。だから…。そんな、そんな訳がない。きっと寝ているんだ。ちょっとしたら目を覚ましてお腹が空いたって騒ぐんだから。どうして皆泣いているの。…信じたくない。目の前で、ルフィが死んだなんて。あたしはふと空を見上げた。こんな状況の中でこの前ルフィと見た蒼い空を思い出す。ああ、綺麗だったなあ。


空は蒼い
君はいない



ルフィ、早く起きて。


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