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あの日、夕焼けを見て笑顔で別れた新一を見たのが最後だった。


「なまえ姉ちゃん?」
「!コナンくん…」
「こんな所で何してるの?」


夕暮れ時、川原に座って夕焼けを見ていると蘭が預かっているというコナンくんに声をかけられた。コナンくんは学校からの帰りのようでランドセルを背負っていた。(何だか、小学生の時の新一を見てるみたい)そんな事を考えるとつい、笑みが溢れた。

「ちょっとね、新一の事思い出してたの」
「!…新一兄ちゃんの事?」
「うん。私も蘭と新一と幼なじみだったんだよ」

知ってた?なんて少し笑ってコナンくんに問いかけながら、昔の事を思い出す。

「…三人でよく一緒に帰ってたなあ…」
「新一兄ちゃんに会えないの寂しい?」
「寂しいよー。私、新一の事が好きだった」

「…え……」

「勿論、蘭と新一がお互い好きな事は知ってるから、気持ちを伝える気はないの。二人とも大事な幼なじみだからね」
「……」


「でもね、新一と時々二人で来たこの川原で新一が戻ってくるのを待ってるの」
「…なまえ姉ちゃん」
「あ、でも幼なじみとしてだよ?」

少し俯いていたコナンくんに私はごめんね、変な話をして、と謝ると勢いよく立ち上がった。

「帰ろっか」
「…うん」


すると、突然左手に暖かい感触が触れた。それはコナンくんの手で少し照れたようにコナンくんは俯いていた。コナンくんなりの優しさに触れた私は嬉しさが込み上げた。そして優しく微笑んでそっと手を握り返した。

「コナンくん、甘えん坊みたい」
「ちっ違うよ!そうじゃなくて…」
「…ありがとうね」
「!…うん」



真実は君だけに

(今の話は二人だけの秘密ね)
(うん)
(それにしても新一にそっくり)
(そ、そうかな…?)





120406
名探偵コナンにて江戸川くん

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