sss | ナノ

けほ、けほ、とむせる声までもが愛しいのは最近仲間になった格闘家のなまえちゃん。格闘家だというのに見てくれはとてもか弱そうなのが不思議だ。なまえちゃんは俺の煙草を不思議そうに見つめたあと「わたしも吸いたい」と好奇心な目で俺を見た。

そして、なまえちゃんは煙草の想像以上の苦さにむせた。俺は「ほら、だから言ったろ?」となまえちゃんから煙草を取り上げた。『こんな苦いのよく吸えるね』なまえちゃんは信じられない、と言った顔で俺を見た。少し涙目なのがまた、堪らない。




「少しずつ慣れればいいさ」

俺は少し意味深い言葉を放ってみた。すると、案の定なまえちゃんはえ?と首を傾げた。と、その隙にぐい、と頭を引き寄せてなまえちゃんの唇に触れる。さっきまで吸っていた煙草の味と、なんだか少し甘い味がした。なまえちゃんはいきなりのことで固まっていたようで抵抗してこなかった。

「っ……!」

唇を離せば徐々に赤くなるなまえちゃんがまた更に可愛くて俺はにやけるのを隠しきれないでいた。「どう?慣れてきた?」俺の言葉になまえちゃんは何か言いたそうだったけど、上手く声を出せずにいるのがわかって、またひとつ、キスを落とした。


(煙草の味が俺の味)



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -