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この街に来てからは毎日雨だった。雨の日は気が滅入る。元々雨は嫌いだし、大好きなルフィと走り回れないから。皆が買い出しに行くなかあたしは港に止めた船のなかでお留守番。船内の窓から街を眺めてはため息をついた。(毎日毎日雨って…まさかこの街ではずっと雨?)ぼーっとするあたしの視界にふと、黄色が映る。それはルフィで、黄色の雨ガッパを着て手には何かを持って船へと元気よく走ってきていた。どうしたんだろう、と考えているとあたしがいる部屋の扉が勢いよく開いた。なまえ!これでなまえも遊びに行けるだろ!扉を開けたのはルフィだった。ルフィは元気よくそう言って手に持っていた傘を振り上げた。そう言えばこの街に来たときに濡れるのが嫌いだから遊ばないと言ったのを思い出した。だからきっとルフィは傘を買ってきたんだろう。そんなルフィにあたしは笑った。(あたしのこと考えてくれてたんだね)ふふ、そうだね。これで、遊びに行けるよありがとう。にっこりと笑うとルフィもニカッと倍返しの笑顔を向けてきた。(雨の日も、ルフィといれば好きになれるかも)


水色の街


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