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「ルフィ!おんぶして!」
「おう!任せろ!」

あたしの我儘にいつもルフィはニカッと笑って応えてくれる。小さい小さいあたしにはそうして向けられたルフィの広くて大きい背中に満足気に笑うと飛び乗った。軽々しく持ち上げられたあたしの視界は一気に急上昇していつもの見慣れた景色が一転する。

「わーっ高い高い!」
「おめーの小せえ身長じゃ海も見渡せねえだろ」
「…ふん、大きくなったらルフィの事抜いてやるんだから」

まだ9歳なんだ。これからすくすく成長してルフィを追い越してやる。そう思いルフィの背中でぷう、と頬を膨らませれば、まるで見えているかの様に「ニシシッ」と笑われた。

「それ以上大きくなったらダメだ」
「え?なんで?」

「俺より背が高くなったらいつでも海が見れて、俺がおんぶしてやる事が出来なくなるだろ」
「!」

ルフィってば、馬鹿だな。
まだまだ小さいあたしにだって、大人になれば小さかろうが大きかろうが、おんぶをせがむ事なんて必然的に無くなるんだってわかっている。だって大人になってもおんぶしてもらうなんて、きっと恥ずかしい。

なのに、ルフィにそう言われると、このまま大きくならないで沢山ルフィにおんぶしてもらうのも良いかな、なんて思ってしまった。


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