Change the Body!! | ナノ


「なあ、滝夜叉丸。お前の自慢話をみょうじが言いふらしていたが、お前らいつから恋仲になったんだ?」
「……ははは、気のせいです七松先輩」



まじ勘弁してくれ。



色々あって滝夜叉丸と体が入れ替わってしまった。(大体なんかぶつかって入れ替わった感じなのは皆わかるだろうから説明いらないよね)最初はお互いに戸惑い困惑したものの、まあいつか自然に戻るだろうと勝手に滝夜叉丸が収拾つけて解散した。待て、勝手に話を終わらすな。スタコラサッサとまるで本当の私になったかの様にくの一教室に向かう滝夜叉丸は思った以上に素早く、今や滝夜叉丸になってしまった私がくの一教室の敷地に入ろうものなら、本来私の級友であるくのたまの皆から袋叩きに合ってしまうだろう予測をすると、どうしようもなかった。(他の男達ならまだ軽い怪我で済みそうだが、滝夜叉丸となれば確実に半殺しだろうな)既に姿の見えなくなった私(滝夜叉丸)に大きくため息を吐けば、私も私でまあいつかは戻れるだろうし、なんて適当に結論を出して滝夜叉丸の教室である四年い組へと向かった。

無事に授業を終わらせ(実技で物の見事に戦輪を外しまくったら医務室に促されたがスルーしよう)食堂へと向かえば、本来の滝夜叉丸の所属する体育委員会委員長の七松先輩に隣へ来いと促され(拒否権なし)食事の乗った盆を手に嫌々向かった。そして腰を下ろしたところで、冒頭の言葉を吐かれたのだ。

「だが、みょうじはお前の事を妙に持ち上げていたぞ?」
「…頭打ったんじゃないですか?あいつドジそうですし(自分で自分の悪口言うなんて…)」
「なははは!確かにありえそうだな!」
「(な、納得しやがった!?)で、でも意外に優秀なんですよ、なまえって」
「……どこが?」
「ど…!?せっ成績はそこまで悪くないですし、実技もそこそこ良く先生からは度々褒められていますし、何より可憐でお淑やかで、」
「なんだ。やっぱり恋仲なんじゃないか」
「……ぬあ!?」
「好きでもない奴の事をそんなに褒める奴は居ないだろ。しかもいつも自分の話しかない滝夜叉丸が他人を褒めちぎっているんだ。恋仲以外にありえないだろ」
「ち、違います!今のは言葉の綾で…!」

しまった。今の私は滝夜叉丸だった。いや滝夜叉丸じゃないなら私を褒めちぎってる今の私は誰なんだという事になるが。ややこしい話は置いといて、七松先輩の言葉に思わずムキになって言い返した言葉にブンブンと全力で手を振って否定するも、七松先輩は「別に私が皆にバラす事はないから安心しろ。ご飯冷めるぞ」なんて言っていつの間にか完食して食堂を去っていった。隣に座らせたならせめて食べ終えるまで付き合えよ!

「…七松先輩が言わない(まず恋仲じゃないし)にしろ、絶対今も色々な誤解が生まれてる気がする…」

滝夜叉丸と私が恋仲である等、絶対にありえないが、どこで誰に何を言い触らしてるのかわからない滝夜叉丸に私はゾッとして今にも食堂を飛び出たかったが、目の前にある冷めかけたご飯を残す事は許されない。

「……いただきます」

ぱん、と弱々しく手を合わせて滝夜叉丸の低い声で情け無い程にか細い言葉を吐き出せば、食欲の湧かない胃に食事を運んだ。あいつ、絶対殺す。



ナルシストと私が入れ替わったら



「滝夜叉丸うううう!!」
「お、なまえか。どうした?しっかり私を演じてくれているか?まあドジななまえが完璧である私を演じる事など不可能だとは思うが」
「それ以前にてめーが私を演じてないんだから演じる訳ねーだろうが!!」
「何を言う。私はしっかりなまえを完璧に演じているぞ」
「あんたの自慢話なんか一度もした事ねえわ!!」
「まあそんな照れるな」
「ちょっともう話通じないんですけど!誰か助けて!」
「それにしても、矢張り私は何をやらせても天下一品だな」
「その口今すぐ縫ってやる!!」
「落ち着け。仮にもお前の口だぞ」
「はっ!あーもう!何でこんなナルシストと入れ替わったんだよもおおお!!」
「私と入れ替われた事が泣く程嬉しいのか。まあ仕方あるまい、十分に誇りに思え。ふむ、こう他人の目から見る私もまた美しくて見惚れてしまうな。…はっ!なまえ、念の為言っておくが、裸になった時私の肉体美にドキッとしたからと言って良からぬ事はするなよ」
「もう私の体でも何でもいいから今すぐ殺してやる」



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