じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


黒バラの小太刀





「やめてやれよ。もう勝負ついてんじゃないか」

「…私のリボンをあっさり見切るとは…あなた、ただの女ではありませんね」
『確かに、ただの女じゃないよねー』
「うるせーなまえっ」
「おや…そちらは高みの見物ですか」
『…え?あたし?』

すると九能小太刀が思わず口を挟んだあたしをちらっと見遣った。(なんであたしまで九能小太刀ににらまれなきゃいけないの)



「…私、女には、手加減いたしません!」

だが、九能小太刀は再び乱馬へ視線を戻すと足元に落ちていたクラブを拾い上げ、一気に乱馬へと攻撃を繰り出した。乱馬はそれをしゃがんで避けると九能小太刀の足を蹴り体勢を崩れさせた。

「あっ…っく!」

転びそうになる九能小太刀は何故か、視線を再びあたしへと向けた。なんだ、と思っていると未だ持っていたリボンを今度はあたしへと振り回した。(なっ何であたしまで!)いきなりの攻撃に飛び上がり避けると乱馬の隣へ着地した。九能小太刀も受け身を取り華麗に着地するとあたし達へ笑いかけた。

「中々お強いですね。私は聖ヘベレケ女学院の黒バラ…黒バラの小太刀。覚えておいて下さいね」

ピンッ

九能小太刀はそう言うと黒バラを二輪あたしと乱馬にそれぞれ投げつけ去っていった。


「……」
『何であたしまで…乱馬のせいだっ』
「知らねーよっ!」

何故かあたしまで九能小太刀に目をつけられてしまった。(やっぱり面倒くさい事に巻き込まれる運命…)



「ううっ…悔しい」

あたしがそんな事を考え項垂れていると、包帯まみれの人達がしくしくと泣き始めた。それを見た乱馬は小さくため息をつくと、その人達へと歩み寄る。

「泣くなよ、男の癖に」
「うぐっ」
『こらこら、女の子だよ』
「え?そーなの?」
「そーです!風林館高校新体操クラブの!」
「あ(うちのクラスの女ども…)」
『(背丈とか体格でわかるでしょーに)』






×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -