じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


見覚えのある光景





ある日の夕方。
あたしはかすみさんにお使いを頼まれ、肉まんを買いに来ていた。

「お嬢ちゃん達可愛いからおまけしちゃおう」
「きゃ〜おじさんありがとっ」
『……』



何故か、女になった乱馬と一緒に。



「うん、食いもん買う時は女の格好に限るぜ」
『…乱馬ってば最近女になるの楽しんでるね〜』
「あん?別に楽しんでねーよ」
『(嘘つけ)……ん?ね、乱馬あれ』
「ん?」

お使いの帰り、ふと通りがかった空き地に目をやるとそこには包帯まみれの人達が一人の制服姿の女を取り囲んでいた。(…何か見覚えのある光景だけど…)あたしと乱馬は気になり、空き地の側へと向かった。




「風林館高校の方達ね。焦らなくても一週間後に試合があるじゃありませんか」
「問答無用!」
「ここで会ったが百年目!」

「なんだ?あの包帯まみれは」
『(…あ。あの取り囲まれてるのって)』

あたしと乱馬は空き地の塀に昇り、先程買った肉まんを頬張りながら暫くその光景を見物していた。
あたしが目にした取り囲まれている女は、九能先輩の妹である九能小太刀だった。九能小太刀は今後、男の乱馬に惚れ事あるごとにあかねと乱馬の仲を邪魔する面倒くさい人。(九能先輩の妹だからねー)
そんな事を考えている間に包帯まみれの人達はクラブを取りだし九能小太刀へと構えた。


「覚悟!!」


そして、叫び声を合図に包帯まみれの人達は九能小太刀へと襲いかかった。すると、九能小太刀もスッとリボンを取り出した。

「口で言っても…わかりませんかっ!!」




ピシッ!ピシッ!

「ひええ!!」

勢いよく振り回されたリボンは外れる事なく包帯まみれの人達は奇声をあげ倒れこんでしまった。

「わからない人には!」

勝負あったかのように見えたが、九能小太刀は攻撃をやめる事なく、容赦なく包帯まみれの人達にリボンを何度も振り回していた。(これじゃあどっちが勝負仕掛けたのかわからない)



パシッ!



「!」

その時、九能小太刀が振り回していたリボンがあたしの隣で見物していたはずの乱馬によって止められた。(今思えば、ここで九能小太刀と関わらなければ今後面倒な事に巻き込まれないで済んだのに。…いや、九能先輩の妹だし、遅かれ早かれ面倒な事にはなってたか)






×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -