じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


やってきました日本





ドドドドドドドドド…!!

バシャバシャッ!!


街中には全速力で駆け回る中華服を着た女と、その女に引っ張られているジャージの男、そして二人を追いかけるパンダ。沢山の人が二人と一匹に目を向けていた。








あれから2週間。
あたし達は日本へとやってきた。(ほんとに泳いできたよ…長い道程だった…それに、まさか漫画で見ていたあの出来事にあたしまで巻き込まれるなんて…まあ男になってる時点で遅いけど)
日本へと来る前、大変な騒動に巻き込まれ(乱馬のせいで)あたし達、否、乱馬は狙われ追いかけられる事となった。

乱馬は最後まで日本に行くことに反対していたが、騒動により仕方なく日本へとやって来た。だが、やはり今の姿に納得がいかず「中国に戻る」と宣言すると、あたしの腕を掴み玄馬さんから逃げるように走り出した。玄馬さんはそんな乱馬を追いかけ、今に至る。







「っくそ…!てめー、いい加減に…」

追いかけてくる玄馬さんに痺れを切らした乱馬が突然あたしを掴んでいた手を離し、跳びはねると…。


「しろよなっ!」

玄馬さんに思いきり飛び蹴りを食らわした。玄馬さんは勢いよく後ろへと地面に滑り込んだ。だが、すぐに起き上がると唾を吐き体勢を整えた。




「パ…パンダだ…」
「パンダだよなあ…」
『(ちょっとちょっと。えらい騒ぎになってるよ)』

乱馬達が繰り広げる騒ぎに段々と人が集まり始めた。だが、二人はお構いなしと言ったように闘い始める。(あんまり漫画の内容覚えてないからわからないけど…このままじゃ周りの人巻き込むんじゃ…)




『ふ、二人ともやめて…』
「大体おれは、最初から気が進まなかったんだ!っ勝手に許嫁なんて…決めやがって!!」

あたしの言葉も聞かず、乱馬は綺麗に玄馬さんに一本背負いを決めた。

「はあはあ…俺となまえはもう一度中国に行くぜ。てめーは一生そうしてろよ。なまえ、行くぞ」
『え…で、でも…』
「くそ親父なんか放っときゃいいんだ」
『……あ』







げいんっ!…どさっ







乱馬が再びあたしの腕を掴み歩き出すと、中国にいた時のように背後から玄馬さんがそこにあった標識で乱馬の後頭部を殴り付けた。(やはり恐ろしい…)玄馬さんは気を失った乱馬を担ぐと一部始終見ていた周りの人を散らせた。

【さて、行くぞ】
『…はい』






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