じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


嗚呼、我慢出来ません





その結論はあたしには物凄く辛いものだった。
というのも、小さい頃から動物が大好きすぎて動物という動物を見かければ必ずチョッカイを出していた為、いくら響良牙とわかっていながらも、目の前で威嚇する小さい子ブタを目の前にして何もしないなんて、到底出来ない。(いやでも原作通りに話を戻さないと…いやでも…!)威嚇する響良牙を余所に一人頭の中であたしは葛藤していた。(あ、玄馬さんには流石に何も出来ません)



「フーッふごっ…」
『!』

その時、鼻を小さく鳴らした響良牙にあたしは理性を切らした。(嗚呼、我慢出来ません…!)


『おいで』


あたしは響良牙に向き合うとゆっくりと手を差し出した。そーっと手を近付け警戒心を解いていく。そして、自らゆっくりと近付いてきた響良牙を優しく抱き抱えるとあたしは猛烈に幸せを感じた。

『可愛すぎる〜っ』
「(……)」




コンコンッ

その時、あたしの部屋のドアがノックされた。

「なまえ?悲鳴が聞こえたんだけど…」
『!あ、あかね…(そーだ…何とか原作通りに)』

ドア越しのあかねの声にあたしはハッと我に返り少し考えると部屋のドアを開けた。

『あたしは大丈夫なんだけど…』
「!子ブタ…?」

あかねはあたしの抱えた子ブタである響良牙を見ると目を丸くさせた。あたしが先程の出来事を話すと、それを聞いたあかねは「そう」と響良牙に優しい目を向ける。(今更だけど…原作に戻って下さい)あたしはそんな願いを込めて響良牙をあかねにそっと渡した。

『この子、(あたし達のせいで)頭にコブがあるみたいだから消毒してほしいんだけど…』
「わかったわ」

あかねは頷くと広間へと向かった。広間へ続く廊下を歩く中、あたしはもう一度願った。(響良牙様、このままあかねに消毒してもらって一晩一緒に寝てあかねに惚れて下さい…)(嗚呼、でももう一度抱かせて下さい…)






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