じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


気配





ドロボウの正体が響良牙だとわかり、あたし達はホッと一息つくとそれぞれ自分の部屋へ戻る足を進めた。その間に、響良牙とあかねが出会う場面を思い出そうと思考を巡らせた。(えーっと…確か雨に濡れちゃった響良牙は変身しちゃって…それで、えーっと…)



『…ん?』

うーん、と唸りながらも部屋のドアを開け足を踏み入れた瞬間、何処からか気配を感じた。(誰...?まさか、響良牙...?いや、確か響良牙はあかねの部屋に忍び込んでるはず...という事は...?)

この気配は一体…。
あたしは一気に緊張を張り巡らせた。



ガタッ…ガタタッ!!

『っ!』



あたしは勢いよく物音がした方へ振り向いた。すると何か黒い物体があたしへと襲い掛かってきた。

『きゃあっ!!』


ばしっ!

一瞬の出来事にあたしは目を瞑り、その物体を払いのけた。床へと落ちた黒い物体に恐る恐る目を向けると、それは。

『ブタ…?(って事は、まさか)』

子ブタに変身した響良牙だった。
(何で、あたしの部屋に…?)


「フーッフーッ…」


子ブタに変身した響良牙はあたしを見て威嚇している。あたしはそんな響良牙を見ると再び思考を巡らせる。本来ならば、あかねの部屋に忍び込むはずなのに、どうしてあたしの部屋にいるのだろうか。(…もしかして、あたしが原作に背いたせいで少しずつ変わってきてる、とか…?)そんな答えが出れば不安が募り出す。(どっどうしよう…!だって、ここで響良牙はあかねと距離が縮まって...……子ブタが苦手なフリしてあかねと無理矢理接触させようか…)それしかない。あたしはそう結論を出すと、ちらっと響良牙を見た。

「フーッ」
『……(でも)』


可愛すぎる…!






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