とりあえず一件落着
『ふう〜今日はすっごい疲れた…』
あれから家に帰り、ご飯とお風呂を済ませ自室でくつろいでいた。ベッドに寝転がり、今日一日を思い出せばあたしは大きく息をついた。
あかねの髪が原作通りに切れなかった事により、どうなるのか不安であったがどうやら上手い具合原作へ路線が戻りそうだ。(まさか自分の意思で切るって言うなんてびっくりしちゃった)(漫画の世界って何とかなるものなのかな?)東風先生への想いも吹っ切れたらしいし、これで原作通り乱馬とあかねは向き合っていくだろう。(とりあえずは一件落着…かな?)(だけど、あんまり調子に乗らないでこれからは大人しく原作通りに事を運ばせよう…あたしの存在消えたりとか嫌だし)
『…もし、あかねが先生の事好きなままだったなら…』
ふと、そんな思いが頭を過り、天井を見つめてぽつりと言葉を溢す。(あたしも、乱馬を好きになって向き合えたりしてたのかな…)
『…って、別に好きでもないんだから』
だが、すぐさまそんな考え事を取っ払うとそろそろ寝よう、とパジャマへ着替え始めた。
ガラッ
「なまえっ…あ」
『!?』
突然、目の前の窓が開いたかと思えば屋根から降りてきたのか逆さまに乱馬が現れ、あたしの着替え姿を目にして顔を赤らめた。
『…何?覗きに…来たの…?』
「ちっ違っ…き、今日の事謝ろうと…!」
あたしは急いで服で体を隠すと怒りにわなわなと震え出す。乱馬は急いで弁解をしようとしていたが、言葉が言い終わらない内に顔面にあかねから借りていたダンベルを投げつけた。
『っだったら…部屋のドアノックして入ってこい!!』
そして、遥か遠くに殴り飛ばした。
(初めの内は生で見て格好良いって舞い上がったりしてたけど、乱馬を好きになるなんてあかねじゃあるまいし絶っっっ対ありえない!)