パンダは話せません
「へえー乱馬くんのおとーさんだったのか。あんまり似てないね」
『(本気なのか?本気で言っているのか?)』
ほねつぎの中に入るとパンダ、否、玄馬さんと乱馬が親子だと話すと東風先生は本気にしたのか冗談と受け取ったのかはわからぬが笑っていた。
「それにしても、乱馬くん顔どうしたの?」
「『……』」
「体育でちょっと…」
ふ、と乱馬の顔の怪我に話が移ると、あたしとあかねは思わず黙ってしまった。
「よく効く塗り薬あげるよ。待ってなさい」
リーンリーン!
「すいません早乙女さん。電話取ってくださーい」
東風先生が塗り薬を取りに部屋を出た瞬間、電話が鳴り響いた。(黒電話…ふ、古い)(結構前の漫画だもんなー)東風先生は玄馬さんに電話を取るようにお願いする。
がちゃっ
しーん…
【しまった、パンダは喋れない!】
「とるなよ最初からっ!」
「…もしもし、お電話代わりました」
だが、今はパンダである玄馬さんは当然話せる訳がない。玄馬さんがそんな自分にショックを受けている間にあかねが電話を代わる。
「あ…」
すると、あかねが突然声を漏らした。ん?とあたしと乱馬と玄馬さんは顔を見合わせあかねを見た。だが、その後普通に会話を済ませると何故か鞄を手に取った。
「あたし、先に帰る」