漫画の世界にやってきた!?
信じられない。
らんま1/2はあたしが中学1年の頃に大好きだった漫画だ。その漫画の主人公の早乙女乱馬が今、目の前にいるなんて。言うなれば異世界トリップというものだろうか。(どうせなら銀●の世界にトリップしたかったなー…って今そんな事考えてる場合じゃなかった。まずトリップなんて現実的にありえないよ。…そうだ。きっと車に跳ねられた衝撃で気を失って夢を見ているだけだ!……でも…)そう考えるものの、見るもの聞くもの泉に落ちた感覚は到底夢には思えない。車に跳ねられた時に負ったであろう痛みもちゃんとある。(どうしよう…あたし…これからどうなっちゃうの…?)
「おーい、大丈夫かー?」
『!!』
思考を巡らせ混乱していると早乙女乱馬があたしを不思議そうに覗き込んでいた。あたしはそれに気がつくと急いで返事をする。
『え、あっ!だ、大丈夫です!(てかさっきからなんか自分の声がやけにハスキーに聞こえるような)』
「そうか。それにしても驚いたな…」
『?』
早乙女乱馬はあたしの返事を聞くと苦笑いを浮かべてあたしの頭のてっぺんから足の爪先までを見てそう言った。なんだ、と首を傾げると早乙女乱馬が再び口を開いた。
「まさか…"男"になる泉もあるなんてな」
『……は?』