じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


異世界から転校してきました





「…というわけで、早乙女くんとみょうじさんはー最近まで中国におったそうでー」
『(…まあ、あたしはつい最近まで異世界にいたんだけどね)』



先程の豪雨はにわか雨だったのか暫くして止み、あたし達は急いで教室へと向かい、転校生として紹介されていた。

「まーそれはともかく、天道あかねともどもー遅刻であるからー立っとれ」




そして、乱馬とあかねとあたしは廊下にバケツを両手に持って立たされた。




「…あんたのせいだからね」
「俺はお前の喧嘩に巻き込まれたんだぞ」
「自慢じゃないけど、毎朝始業前に片付けてるのよっ」
『もーこんなところでも痴話喧嘩しないでよ』
「「違うっ!!」」
『わ、息ぴったり』

一度は二人を茶化してみたいと中学生の時に思っていた為、何だか夢が叶ったみたいだ。


「…なんだったんだ、あの騒ぎは」
「…九能先輩が……」

乱馬の言葉にあかねははあ、とため息をつき事の始まりを話始めた。なんでも、九能帯刀が「あかねくんと交際したくば戦って勝て!それ以外の交際申込みは僕が許さん!」と言って以来、あの日課が出来たんだとか。

『へえー、であの数?あかねモテモテ』
「全然嬉しくないわよ」
「じゃー九能とも毎朝戦ってんのか」
「勝てちゃうのよねー何故か」
「ま、女相手じゃな、腕も鈍るわな」
『乱馬、それは失礼じゃない?(何かあたしも言われた気分)』
「そうよ、バカにしないでよ。本気で手合わせしてみる?」
『あ。あたしもやりたいっ』

あかねの言葉にあたしも思わずノッてしまった。あかねと乱馬を茶化したい事もそうだったが、空手を習ってるうえで一番してみたかったのは乱馬との戦い。だが乱馬は表情も変えずに「やだね」と否定した。

「どんなに凶暴な奴で、中国まで修行しに来た奴でも、おまえら女だもん。本気じゃ戦えな…」
「『……』」

乱馬の言葉にあたしとあかねは顔を見合わせじりじりと乱馬ににじみ寄る。それに気付いた乱馬もささっと後退る。

「なんだよ」
「じゃあ」
『女同士でなら文句ないでしょ』







バシャッ!







「わっ!!」

すると突然、あたしとあかねの後ろから乱馬目掛けて水が襲い掛かってきた。(あ、危なっ!)側にいたあたしも思わず過剰反応で避ける。(こんなの漫画にあったっけ!?)あたし達は水が襲い掛かってきた方へと振り向くと、そこには先程乱馬と戦っていた九能帯刀がいた。






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