じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


天道あかねの日課





「天道あかね!学校に入っちゃいかーん!」
「きみは狙われているんだーっ!!」



「どいてっ遅刻しちゃう!」
「待てい!」

人だかり、もとい風林館高校の生徒達は段々とあかねへと襲い掛かってきた。漫画での注目とも言えるこの場面はあかねの日課となっているシーンだ。あたし達はそれぞれ生徒達を飛び避ける。だが、あかねと間違えたのか突然生徒の一人に足を掴まれ、あたしは体勢を崩した。(わっ…!)あかねがなぎ倒す生徒達の中に落ちてしまいそうになった瞬間、乱馬に引っ張られ、塀の上へと着地した。(た、助かっ……!?!)何とか落ちずに済んだ、と思いきやあたしは乱馬に抱きかかえられていた。

「大丈夫か?」
『!う、うん!あああありがとう!!』

乱馬との距離の近さに顔を真っ赤にさせ、急いで離れる。(か、顔熱い…!心臓もバクバクいってるよ…!!まさか、乱馬に抱きかかえられるなんて…!)驚いてしまったが、嬉し恥ずかしい気持ちに心は中々静まらないでいた。だが、乱馬は何も気にしていなさそうにあかねのなぎ倒しっぷりを見物していた。(…やっぱり鈍いな)





「乱馬くーん、なまえちゃーん。校舎入んなよー」





それから暫くの間、あかねの日課が終わるまで乱馬と塀の上で見物していると、少し遠くにある校舎からなびきさんに声を掛けられた。だが、乱馬はあかねを気にかける。

「だって…」
「あかねなら大丈夫だって」
『あ、終わったみたい』

あたしの声に乱馬はあかねへと視線を落とした。襲い掛かってきた生徒達を全て倒したあかねは息を上げ、汗でまとわりついていた髪を手で払った。(生で見ると迫力あったなあ…)





「まったく。無粋な連中だな」






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