乱馬は鈍いイメージがある
「ありゃ、何者だ?」
「ほねつぎの東風先生。名医なのよ」
「あいつ、強えだろ」
「えーっわかるう?」
『(…どうでもいいけど、想像通りに走るの速いのねお二人)』
ほねつぎを後にし、あたし達は急いで学校へと向かっていた。最初は小走り程度だったがいつの間にか全力疾走ほどのスピードで走っていた。(まあ、二人に追い付けているあたしもあたしか)
「そーなんだ、強いのよ。全然そんな風に見えないでしょ。あたし小さい頃からケガするとあそこの世話になってんだ」
「ふーん…で、ありゃー男じゃねーのか?」
『(…おお)』
乱馬の言葉にあたしは心の中で思わず驚いていた。あたしの中の乱馬はどこか鈍い(というか女心がわからない)イメージがあるのだが、今の言葉からするとあかねの気持ちを見透かしているようだ。(まあ、あかねの態度もわかりやすいしなあ)
「なによ」
「おめー男なんか大っ嫌いじゃなかったっけ」
「……そうよ!あたし…男なんて…」
あかねがそう叫ぶ中、学校が見えてきていた。もうすぐ門だ、というところでぞろぞろと人だかりが門から一斉に出てきた。(…あああ!こいつらは…!)
「天道あかねが来たっ!!」
「大っ嫌い!!」
「ん?」
あかねが言葉を言い終わると乱馬も人だかりに気付いたのか門の方へと目をこらした。