またまたその頃
あれから、119漢方液を持って突如目の前に現れた挑発的なシャンプーから漢方液を奪うべく、手を出そうとするも、痴漢に遭ったような悲鳴を出されてしまえば、いくら何でも手が出せなくなってしまった。
そこで俺は、交換条件を提示する事にした。シャンプーが119漢方液を俺に渡す代わりに何か一つ望みを叶えてやると。(結婚しろとか、なまえやあかねを殺せとかそういうの以外で)
するとシャンプーは意外な言葉を口走った。
「では…女的乱馬、殺すべし!」
「…ま、そーゆー訳なんで」
そうしてこうして、俺は再び天道家へと舞い戻ると、手合わせを終えて部屋へ戻ったのか誰もいない天道道場へ良牙をこっそり連れ出すと、事の経緯を話した。
「良牙、俺をぶちのめせ」
「…ふん、やなこった」
「何でだよ!」
「悪あがきはやめて、なまえさんの事は俺に任せな。乱馬を忘れている今、俺はなまえさんと新しい恋を築く…!」
みしっ
「そこを曲げて頼む」
「っ人に物を頼みながら頭を踏んづけるんじゃないっ!嫌だと言っとるんだっ!!」
ぼかっ!
「頼む!叩きのめしてくれ!!この通りだっ!!」
ばきっ!
「…ふっ。わかったよ、言う通りにしてやろう…。お前をたたっ殺してやるっ!!」
「わかってくれたか!」
漸く理解してくれた良牙が怒りを露わに襲いかかったのを皮切りに俺は良牙に叩きのめされる為に手合わせを始めた。
どかっ!ばきっ!
ぼきっ!びししっ!
ドサッ…
「!わあっバカ!おめーが倒れてどーすんだよ!」
暫く殴り合っていれば、ふいに良牙床へと崩れ落ちた。気がついた時には、既に良牙は気を失っており、これでは俺が叩きのめされると言う願いは叶わないでしまう。
「我々が協力しよう!!」
どっかん!!
どうしよう、と1人おろおろと道場を駆け回っていれば、突如おやじと早雲さんの拳が勢いよく襲いかかった。
「なんて優しいんだ乱馬くん!あかねという許嫁がいながら、同じ居候の身としてなまえくんの心配をするなんて!素晴らしい人柄だ!」
どかっ!ばきっ!
【すっごくいじらしいと思う】
どかっ!ぼこっ!
「ちょっ…まっ…」
話を聞いていたのであろうおやじと早雲さんは間髪入れずにボカボカと殴る蹴るを繰り出し俺は動けずにいた。(いくら何でも流石にこれはやり過ぎだと思う)
「ちょっと、何してんの!」
『玄馬さん、早雲さん!』
その時、ぱたぱたと騒ぎを駆けつけてやってきたあかねとなまえが一瞬天使に見えた。