じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


その頃





日もすっかり暮れた頃。

「どーしたの乱馬くん。荷造りなんかして…」
「決まってんじゃねえかっ。中国の薬局行って119漢方液買ってくる!!」

『!』
「乱馬…!」

東風先生の失態により書物は無惨にもビリビリに破かれ、手がかりがなくなってしまった今、そう決意をして立ち上がると、天道家はおおっと声を揃えて盛り上がった。

「ねえねえ!何かお土産買ってきてよね!」
「烏龍茶がいいわ」
【101がほしい】
「わしはタバコタバコっ」
「……(こいつら)」


『…ね、あかね』
「なに?なまえ」
『…何であの人、あんなに一生懸命なの?』
「…あたしが言うのもなんだけど、2人とも素直じゃないからなあ」
『?どう言う事?』
「何でもないわ。ね、乱馬が戻ってくるまで久しぶりに手合わせしない?」
『!うん、そうだね』

「なまえ」
『?』

お土産にウキウキと盛り上がるおやじ達を他所に、2人で手合わせしようと立ち上がったなまえに俺は声を掛けると、立ち止まりこちらをじっと見つめるなまえに意を決して、言葉を続けた。

「…待ってろよ、必ず俺のこと思い出させてやるぜ」
『!……』


【こいつうっキザな事をぬけぬけとお!!】

どんっ!

「いやー、乱馬くん!あかねの許嫁でありながら、その優しさ、流石だねえ!!」

ばし!ばし!ばし!


言えた。
そう思うや否や、突如突撃してきたおやじと、泣きながら打ちのめす程の手刀を繰り出す早雲さん、そしてこっそり腕を噛む良牙から何とか逃れると俺は天道家を飛び出した。



――さて。
まずどうやって中国へ行こうか。(タダで中国に行くには、やっぱ前みたいに泳いでいく他ねーかな。ちっときついけぢ…。しょーがねーか、119漢方液手に入れるにはそれしか…)


ばんっ!


「!」

その時、目の前に突然119漢方液…否、それを手に持つシャンプーが目の前に現れ俺は思わず立ち止まった。





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