じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


許嫁





「なるほど…大体は理解した」

あたしの話も終わり、天道早雲はそう言うと乱馬の肩に手を置いた。

「君は、水をかけると女になるが、お湯をかければ男に戻ると」
「熱湯かけんなよっ!!」

天道早雲は話ながらも乱馬に湯をかけようとしたが、玄馬さんとあたしで理解しており、乱馬は熱湯を避けた。そんな乱馬に天道早雲はにんまり、と笑った。

「よしよし。さしたる問題はないね」
「ん?」
『(あ、なるほど)』






あたしは何となく理解したが、乱馬はいまいち理解しておらず、天道早雲はずい、と乱馬を姉妹の前に差し出した。

「長女かすみ、19歳。次女なびき、17歳。三女あかね、16歳。好きなのを選んでくれ。君の許嫁だっ」
「あかねに決定ね」
「なっ…」
「うん、ぴったし」

すると、乱馬が選ぶ暇もなく、許嫁があかねに決まってしまった。だが、あかねは納得していないみたいだ。(まあ、初対面で裸見られたらなー)

「冗談じゃないわよ。なんであたしが…!」
「あんた、男嫌いなんでしょ」
「幸い、乱馬くんは半分女だし」
『(そんな理由でいいのか…?)』
「あんな変態お断りよっ!!」
「こら。なんだよ、その変態っつーのは」

すると、乱馬があかねの言葉に反応し反論する。

「あたしの裸見たじゃない、痴漢!!」
「あのな、俺が先に風呂に入ってたんだぞ」
「男と女じゃ見られた重みが違うのよっ!!」

「すっかり仲良くなっちゃって…」
「わはははは!」
「反発しあってるんです!っとにかくあたしは…」
「なまえ、行こうぜ」
『へ…?』

すると、乱馬がぐいっとあたしの腕を掴み天道家を出ようと玄関へと向かう。

「こら、乱馬。どこに行く」
「中国に戻る。完全に元に戻る方法を見つけるんだ。許嫁どころじゃねーよ」

そして、部屋を出ようとしたが黙ってみるあかねへ振り向くと再び口を開いた。

「言っとくけど、裸見られたのはお互い様だからなっ。それに、俺は自分の体見慣れてっから今更女の裸見たってどーって事ねーんだよ。俺の方がプロポーションいいしなっ。ははははっ」
『乱馬乱馬、後ろ』
「ん?」







ずがんっ!!







時既に遅し。
あたしの言葉に乱馬は振り向くと、あかねの降り下ろした机の下敷きになってしまった。

「今のは乱馬が悪いっ!!」
『確かに…』






×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -