じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


こうなる運命





「あかねが熱で倒れた!?」
『そうなの…』


「…で、代わりになまえが?」


『…それしか無いじゃん…』
「(泣くほど嫌だったのか…)」


あかねが倒れてしまった今、あたしにはあかねの代わりに試合に出るという選択肢しか残されていなかった。(こうなる運命なのか…)(いや、薄々心のどこかでわかっていたんだけどさ…!)あかねを控え室のベッドで寝かせれば、着ていた衣装を脱がせて元の服へと着替えさせる。代わりに、あたしは衣装を着ると、煮え切らないままに会場へと足を運ばせた。

「ま、スケートも滑れんだしやるしかねーぜ」
『…そうだね。出るからには絶対勝たなくちゃ!』
「(やっぱこいつ相当の負けず嫌いだな)」



【コルホーズ学園高校対風林館高校、シャルロット杯争奪戦いよいよ開始!!】

ワアアアァッ

乱馬に励まされ、覚悟を決めると試合の開始の時間と同時に会場内に実況の声が大きく響き渡った。

『(あ)』

その時、ふと優勝カップへと目をやると良牙くんが子ブタの姿で鎖に繋がれているのが目に入り何だか同情してしまった。



フッ



そんな中、会場の照明が一斉に消えスポットライトがリンクに華麗に現れた三千院帝と白鳥あずさを照らし出した。

【格闘スケート黄金ペア!白鳥あずさ、三千院帝!!堂々の入場です!】

「「「あ・ず・さー!!」」」
「きゃーっ!」
「三千院さまーっ!!」


『すっごい声援…』
「ふん、きざったらしい出方しやがって」

黄金ペアの登場にコルホーズ学園側の客席から凄まじい声援が湧き上がった。あたしが思わず声を漏らすと乱馬は鼻で笑い、突然あたしを抱き上げると肩へと乗せた。

「こっちだって…」
『えっ』
「度胆抜いてやるぜ!!」
『ちょっちょっと乱馬!?』

そしてその体制のまま勢いよくリンクの中央へと滑り出していった。



ステーンッ!!
シャシャーッ!!



【おーっと!みょうじなまえ、早乙女乱馬ペア!度胆を抜く登場です!!えー尚、みょうじなまえ選手は体調不良により出場出来なくなった天道あかね選手の代打での出場となります!】

『こんなんで大丈夫なの…?』

勢いよく滑り出した乱馬はすぐさま転び、あたしを庇って頭を擦りながら登場していくと、ある意味会場内の度胆を抜く登場となった。(…勝てるんだろうか)未だ転んだまま起き上がれない乱馬にあたしは不安を募らせた。





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