じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


試合当日





「遂に試合当日ね…!」
『あかね、頑張って』
「ありがとう」

あれから、あたしは乱馬とのあんな場面を許嫁であるあかねに見られてしまった事で、小太刀や(まだ登場していないが)乱馬に言い寄る他の女達のように殴られるのだろうと覚悟をしていたのだが、別に何もされる事なくましてや怒っている様子もなく試合当日を迎える事となった。(あたしが原作大きく変えちゃってるから、あかねは乱馬の事好きじゃないのかな…)
そんな事を考える合間にも、あたしとあかねと乱馬は試合会場となるコルホーズ学園高校へとやってくるとそれぞれの控室で試合が始まるのを心待ちにしていた。

「緊張する…」
『落ち着いて、あかね』
「うん…」

あたしはあかねの控室で着替えを待ちながら少し緊張を見せるあかねの背中を軽く叩いて励ましていた。


「っはくしょっ…」
『…まさか、風邪?』
「やだ違うわよ。…くしゅんっ!」
『ほ、ほら!やっぱり…!』
「こんな風邪くらいどうって事…」


グラッ


『っあかね!!』


大丈夫だと立ち上がりリングへ向かおうとしたあかねの体がよろめいたかと思えば、倒れこんでしまった。あたしが咄嗟にあかねを抱きかかえ怪我はしなかったものの、あかねから伝わってくる体温は非常に高く、あかねの意識は既に朦朧としていた。(…ちょ、ちょっと待って)(試合直前なのに…)
あかねの体調が心配なのは勿論だが、既に試合が始まろうとしている会場からの観客席からは沢山の声が聞こえてきていた。



『ど、どーしよう…!』





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