じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


あたしと乱馬





「よ…よお〜し。目ぇ閉じろよ」
『…わ、わかった』


乱馬の言葉にどうしようかと心中困惑するものの後に引けぬ状態にあたしは言われるがまま目を閉じた。

「……」




だが一向に何も起きる気配はない。

「…あ、あの…」

すると、乱馬が先程とは違う声音で言葉をかけてきた。目を開けて乱馬を見遣れば恥ずかしそうに顔を俯かせている。

「やっぱ…こーゆーのってさ…本当に好きな相手でないと…」
『…そーだね。あたしは別に許嫁でも何でもないしね。あかねとがいいよね』
「っんな事言ってねーだろっ!!」
『!』

本来ならば、あかねと乱馬の場面なのだからあたしが今いる事はおかしくて当然なのに、何故か乱馬の言葉に胸が痛めば強がるように言葉を発する。すると何故か乱馬がそんなあたしの言葉に怒鳴った。

『…ら、んま?』

何故乱馬が怒鳴ったのかあたしは訳が分からず名前を呼ぶと乱馬は俯いたまま、恐る恐るあたしを見上げゆっくりと口を開いた。



「…なまえが嫌じゃなければ…俺は…」



『!!』

乱馬の言葉にあたしの顔は一気に熱くなる。(ど…ど、どーしよう…!)あたしの言葉を待つ乱馬にどう答えて良いのかわからず道場に沈黙が流れ始める。





「だ〜っ!!やるのかやらないのかはっきりしなさい!!この忙しいのに!」





『なっなびきさ…!』
「奥手ねー」
「乱馬くん…君という男はあかねという許嫁がいながら…!」
「あたしは別になりたくてなったんじゃないんだし」

「い゛…!」
『い、いつの間に…!』

沈黙の中、突然の大声にあたしと乱馬は盛大に肩を跳ね上げた。声のした方へ顔を向ければいつの間にか道場の入口からあたし達を見ていた天道家と玄馬さんが痺れを切らしたのだろうガヤガヤと口を開き始めていた。そんな状況にあたしと乱馬は顔を真っ赤にさせ驚愕する事しか出来ずにいた。






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