その頃
その頃、泣きながら走り去った乱馬は大浴場へとやってきていた。何もかもを脱ぎ捨て、涙が止まらないまま湯船へと突っ走っていく。
ドボーンッ!!
そして、大きく跳びはねダイブした。
「(あんにゃろ〜!よくもよくもよくもよくも!よくもよくもよくもよくもよくも!…よりによって…あかねとなまえの前でっ!!)」
湯船の中で乱馬は悔し涙と怒りを吐き出し、一気に顔を湯船から出した。
「許さねえっ!!」
そして勢いよく湯船から出ると、先程脱ぎ捨てた服やら靴やらを再び身に纏い三千院帝の元へと向かった。
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「それにしてもあの子…キスだけで嬉し泣きさせてしまうなんて…我ながら罪だったな…」
『(う、嬉し泣きとは…この人ある意味強者だ)』
あれから三千院帝は、先程の乱馬の涙を思い出しそう呟いた。
「三千院!!」
『乱馬…!』
「この場で勝負しやがれ!てめえだけは生かしちゃおかねえ!!」
その時、いつの間にか男に戻った乱馬が三千院帝に怒りを露にして現れた。(そりゃ当然怒るか)
「なんだ、君は…。いきなり現れて…」
「俺はなあ…生まれて初めて本気で怒ってんだ!」
ドカッ!!
怒りが収まる様子のない乱馬は拳に力を込め、勢いよくスケートリンクを殴った。するとリンクはビシビシと音を立て割れてしまった。それを見た三千院帝の顔色が変わる。
「何を怒っているのか知らないが…神聖なリンクを傷つけた罪は万死に値する!きたまえ!」
「上等だ…死ぬほど後悔させてやるぜ!」