じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


黄金ペア





『(さ、三千院帝だ…!)』


良牙くんを掴み取ったのはたった今店に入ってきた男、白鳥あずさとペアを組む三千院帝。(何でこんな厄介な二人の存在忘れてたんだろう)

「あーん!返して〜!返して〜!」

良牙くんを取られた白鳥あずさは三千院帝から奪い返そうともがいている。だが三千院帝はそんな白鳥あずさの隣をすり抜けあかねの側へと行き良牙くんをそっと差し出した。

「君の?」
「え、ええ…」
「連れが失礼したね」
「いえ…ありがとう」

三千院帝はあかねに軽く頭を下げると側の椅子へ腰かけた。その後ろで白鳥あずさは悔しそうな顔をしながら手を振り上げ構えた。

「シャルロット返して!シャルロット返して!」
「彼女は可愛いものを集めるのが趣味なんだが…」
「返して!返して!」
「可愛いものを見つけるとその場で名前をつけて持ち帰ってしまうという…」
「犯罪じゃねーか」
「返せ返せ返せ返せ!!」
『(てかそろそろ止めた方がいいんじゃ?)』

三千院帝が話す間、白鳥あずさは三千院帝の頭を拳やら灰皿やら、挙げ句のはては椅子を使って殴っていた。それでも相手にしない三千院帝に今度は机を持ち構えた。

「えーん、えーん」
「えーかげんにしないか!バカ女!!」

ついに痺れを切らした三千院帝が白鳥あずさへ怒鳴りつけると、白鳥あずさはキッとあかねを睨み付けた。


「勝負を申し込みますわ!」


そして、一言そう言い放った。

「あたしとケンカしようっての!?」

白鳥あずさの言葉を聞いたあかねは上等だという顔で答えた。すると白鳥あずさもあかねの言葉を聞くと小さく鼻で笑う。

「何を野蛮な!種目はペアスケートです」
「スケート?」
「私が勝ったらシャルロットを返して頂きます!」


「あっ!思い出した!」
「ん?」

その時、クラスメートの一人が声を漏らした。

「この二人見覚えあると思ってたけど…コルホーズ学園高校フリースケート黄金ペアの…!」
「白鳥あずさちゃんです」
「三千院帝です」

クラスメートの説明に白鳥あずさと三千院帝はポーズを決めた。二人が有名な黄金ペアだとわかると、クラスメートはすぐさまあかねに口に開いた。

「あかね、スケート勝負はやめた方がいいわよっ」
「このペア、超高校級の…」
「それがなんだっつーのよっ!」

だが、クラスメートの言葉は既に闘志を燃やしているあかねには最早届いてはいなかった。

「降参するなら今のうちですわよ?」
「何を盗人猛々しいっ」
「シャルロット、お部屋を作って待ってますわよ」
「Pちゃん安心して。絶対負けないからね」



『Pちゃんモテモテだね〜』
「けっあほらしい」

白鳥あずさとあかねが良牙くんを賭けて闘志を抱く姿を見たあたしがそう呟くと乱馬は呆れた顔でそう言った。あたしはそんな乱馬を見てニッと笑った。






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