じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


拐われました





小太刀との試合から数日後。

あたしはあかねとクラスメートの二人とアイススケートへとやってきていた。
数日前、原作に背いて乱馬の代わりに小太刀との試合に出てしまったが、その後特にこれといってお咎めもなくあたしは普通に過ごしていた。

「あかねー、なまえーちょっと休もー」
「『うん』」

スケートリンクをあかねと滑っていると一緒に来ていたクラスメートに言われあたし達はリンクから降り、休憩する事にした。




「『え、スケート部に?』」

テーブルに座り昼食をとる中、クラスメートに「スケート部に入ってほしい」と言われあかねとあたしは思わず口を合わせて聞き返した。

「そう。あかねとなまえならすぐレギュラーよ」
「うーん…」
『あかねどーする?(スケート部って珍しい)』

勧誘されるのは嬉しいが、すぐに返事は出来ずあたしとあかねは思わず唸った。(…あれ?そう言えば)その時、ふと何か忘れている事に気付いた。

『あかね、Pちゃんは?』
「ん!いっけない、リンクに置いてきちゃった」
『え゛え゛?(普通忘れる?良牙くん…可哀想に)』
「ちょっと迎えに行ってくる。なまえも来て」
『うん』

あかねとあたしは席を立つと急いで良牙くんの元へと向かった。




「Pちゃーん」
『確かこの辺で滑ってたんだけど…』

リンクに上がり良牙くんを探すがどこにも見当たらない。漫画を読んでいたあたしとしては良牙くんがどこにいるか大体わかるはずなのだが、すっかり話の展開など覚えておらず、全く見当がつかないでいた。(まずこのスケート自体漫画にあったかも覚えてない…こんな物忘れ激しかったかなあ…?)

「…Pちゃん、いなくなっちゃった…」
『!あっあかね!?』

良牙くんがいなくなったとわかると、あかねは泣き出してしまった。東風先生以来のあかねの涙にあたしは焦ってしまう。

『あかね、落ち着いて!』
「あ…あたしのせいだわ…」
『大丈夫だって!Pちゃんて意外にしっかりしてると思うし!(中身は高校生だしね)ほらっ誰かPちゃんの事見た人がいるかも知れないし聞こっ』
「うん…」

あたしは必死であかねを慰めると、周辺で滑っていた人に良牙くんの事を聞き始めた。すると、案の定目撃した人がおり、何やら女の子が連れていったとか。(…女の子?…あれ、なんか覚えがあるような)



「…誘拐だわ」
『え?』
「Pちゃん誘拐されたのよっ!」

あかねは話を聞いた途端、そう口にすると覚悟を決めたように歩き出した。あたしはあかねを追いかけながらも休憩していたクラスメートに事情を話し、一緒にあかねが向かう場所へとついていった。






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