紛らわしくてすいません
「お父さん、よっぽどがっかりしたのね」
あれから天道早雲は目を覚ましたのだが、まだショックなのか、涙を流しながら寝込んでいた。
「がっかりしたのはこっちよ。許嫁なんていうから…こっちの男の子は何か違うみたいだし(格好良いしこの子だったら許嫁でも良かったのに)」
『…ま、紛らわしくてすいません…(あれ…あたし怒られてる?)』
「やめなよおねーちゃん。折角来てくれたのに」
「お父さんがいけないのよ。よく確かめないから」
「息子が生まれたって言ってたもん!」
『(うん、嘘は言ってない)』
「これのどこが息子なのよ!これのどこがっ!!」
「ちょっと…やめてください」
涙を流しながら抵抗するように叫ぶ天道早雲に天道なびきは再度、乱馬の胸をぱんぱん、と叩いた。
「ねー、道場見に行かない?」
すると隣で天道あかねが乱馬へと話しかけていた。そして「仲良くしようね」とにっこりと笑った。それを何気なく見ていると彼女と目が合った。すると、天道あかねは少し間を置き…
「…ふんっ」
『!』
あたしを敵視するように顔を反らした。(えええええ…!…あ……そう言えば、天道あかねって…)
ふと、天道あかねが男嫌いだったという事を思い出し、あたしは男になってしまった事に再度落ち込んだ。(男なんて……)