じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


約束するのかしないのか





新体操の道具にこんな小細工をして反則ではないのか、とレフェリーに抗議するも、ロープに見せかけた棒は道具を使っているから、と反則ではないらしい。すると今度は小太刀はクラブを両手に持ち、素早い速さであたしの顔に狙い定め突いてきた。


ビュッ!ビュッ!


『げっ!!』

その時、顔の横で突然クラブの頭からトゲが突きだし肝が一瞬にして冷える。

「レフェリー!クラブの先からトゲが出てるわよ!」

「?トゲなんて出てないわよ」
『あんたねえ…!』

あかねがすぐさまレフェリーへと申告するが、レフェリーが小太刀を見た瞬間トゲが引っ込んでしまった。数々の卑劣な技にあたしはわなわなと震え出す。だが、小太刀は悪びれもなく口を開いた。

「全ては早乙女乱馬様と交際する為!こんな自分を私はいじらしいと思います!」
『その卑劣さのどこが…いじらしいってのよっ!』

小太刀の言葉に我慢が出来なくなったあたしは鎖が絡まっているせいで手が使えない為、良牙くんを足で掴むと(良牙くんごめん!)飛び上がり、勢いよく小太刀の顔面へと押し付けた。

【みょうじなまえ選手!巧みなブタ攻撃!ブタも有効と見なされます!】

「…何でもありじゃないの…」

そんな中、実況の言葉にあかねは最早呆れていた。



『もー我慢ならない…』

あたしは良牙くんを使い攻撃を繰り出し、リングに華麗に着地すると小太刀へと体を向け口を開いた。

『あんたが勝ったら乱馬と交際するなり結婚するなり好きにすればいい!但し、あたしが勝ったら二度とあたし達の前に現れないと約束して!』
「あたし達…?あなた一体乱馬様の何なんです!」
『約束するのかしないのかどっち!?』



「おい!結婚て!何勝手な事言ってやがんだ!」



小太刀に答えを迫っていると、何故かリングの外からあたしの言葉に反論するような声が聞こえてきた。視線を向ければいつの間にか起きていた乱馬があかねの隣で試合を観戦していた。あたしはそんな乱馬を見ると今度は乱馬に向かって口を開いた。

『負けなきゃいーんでしょ!それに、乱馬が調子乗って徹夜なんかして寝るからあたしが巻き込まれたんだし、それくらいのリスク背負うのは当たり前でしょ!』
「冗談じゃねーよ!ぜってー勝て!」
『わかってるわよっ!』

そんなあたしと乱馬の言い合いを暫く見ていた小太刀が突然「ははーん…」と声を漏らした。

「ははははあ〜んんんん!」

そしてズイッとあたしへ歩み寄ってきた。

『な、何よ…?』




「あなたっ乱馬様が好きなんでしょう!?」




『…は?』






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