その頃
「小耳に挟んだが…」
その頃、道場では乱馬と良牙がある話をしていた。
「明日の試合で負けたら黒バラの小太刀とか言う女と交際する約束をしたらしいな…すなわち」
ピシッピシッ!
良牙は言葉を続けながら巧みにリボンを乱馬へと振り回した。
「!」
「お前となまえさんは縁が切れるわけだ」
乱馬はそんな良牙に視線を落とすと、レオタードの所々が切れており、訳の分からない事を言われ耳を疑った。
「はあー?何でなまえなんだよ。許嫁のあかねはともかく、なまえとはまず縁も何も繋がってねーよ」
「ふんっ…あかねさんという許嫁が居ながら、なまえさんと中国で旅していたお前が縁も何も無いとはよく言う」
「そりゃ事情があって…」
「たわけっ!」
乱馬が言い終わらぬ内に良牙は再びリボンを振り回す。
「明日の試合、負けてもらうぜ!!」
「ふん、おめーが善意でコーチしてくれるなんておかしーと思ってたんだ。だが、生憎俺は小太刀と付き合う気はねーんだよ」
「やっぱりなまえさんが…」
「おめーなあ…」
自分勝手に解釈をする良牙に乱馬は呆れるが良牙は容赦なく攻撃を繰り出し始めた。
「試合前に足腰立たなくしてくれる!」
「っ出来るもんならやってみやがれ!!」
乱馬もすっかりその気になり、リボンを持ち反撃を繰り出し始めた。
そしてそれは、あかねとなまえが起きる頃まで続いた。