じゃじゃ馬にさせないで! | ナノ


試合前夜





試合前夜。
あかねはこれまでの成果を試そうと乱馬を相手に練習を行っていた。だが、乱馬は避けるばかりで練習にならず。

「乱馬!大人しく練習台になんなさい!」
「いや〜すげー上達っぷり。偉いっ」
「誤魔化さないでよっ!言っとくけどねっあたし、あんたの為に戦うんじゃないのよっ!」
『えーほんと〜?』
「…なまえ、あんたでもいいのよ?練習台」
『クラブの子達の為だもんね!乱馬、大人しく練習台になってあげなよっ!』
「お前な…」

あかねの言葉を茶化せば軽く睨まれてしまい、あたしは冗談だ、と乱馬の説得へと回る。(あかねの練習台になるなんて、死んじゃいそうだ)

「あーあ、良牙くんはこの2、3日来てくんないし…頼りにしてたのに」
『そうだね(方向音痴で遠い所に居そうだけど)』
「(むっ)良牙の奴なんか頼りにしなくても…」

「ふごっ」
『!』
「Pちゃんっ」

あかねの言葉に妬いたのか乱馬が言葉を言い放った時、道場の入り口からよろよろとPちゃんに変身した良牙くんがやってきた。(必死にあかねの元へやってくるPちゃん…っ!)

『いやーっ可愛いっ!』
「あっ!」
「ぷぎっ!(なまえさん…!)」

あたしはそんなPちゃんを見ると思わず抱きついた。(もー良牙くんだって構わない!可愛いんだもん!)

「なまえ…Pちゃん苦しそうよ」
『あ…(しまった、良牙くんとあかねの再会を邪魔しちゃった…)』
「ぶ…ぶい…(幸せ…)」
「…(良牙のヤロー…)」



「あんたもここんとこ居なかったわね」

冷静さを取り戻したあたしはあかねへ良牙くんを手渡し、良牙くんが背中に抱えていたお土産へと目を移す。

『もみじまんじゅうに…あーっ生八つ橋!』
「広島と京都か」
『あたし生八つ橋好きー!ありがとうPちゃんっ』
「ぶいぶいっ(いやあ…)」
「(むっ)…Pちゃん本当はどこ行きたかったんだ?きみは方向音痴だからなー」
「方向音痴って…良牙くんじゃあるまいし…」
『…(乱馬ってばほんと意地悪なんだから)』

あかねが優しく抱く良牙くんに妬いてか、乱馬は良牙くんの正体をあかねにバラそうと、わざとそんな事を口にすると良牙くんは乱馬の指をかりかりとかじる。そんな良牙くんに乱馬は側にあったリボンを動けないよう体に巻き付けた。

「さーさーさー練習しよー」
「よおーしっ」
「ぶきーっきーっ」
『もー乱馬ってば…』

そして身動きがとれずじたばたと暴れる良牙くんを放って練習をはじめた乱馬に、あたしはため息をつくと良牙くんの体に巻かれたリボンを練習を見ながらも解いていく。(さて、どうなるやら…)


「いくわよ!」


掛け声と共にあかねは乱馬へと走り出した。そして手に持っていたクラブで乱馬目掛けて突きを繰り出す。乱馬がそれを軽々と避けると今度はもう片方の手と足で持っていたロープで乱馬へと攻撃を仕掛けた。



ずるっ!



だが、足元にあったボールを踏んだあかねは、勢いよく床へと転んでしまった。(…なるほど、こういう展開だったのね)






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