何かが動く気配がしてゆっくりと目を覚ますと、目の前の男が布団から抜け出し身支度を始めていた。
珍しい。と寝ぼけた思考で男を見上げれば、こちらの視線に気付いたのか銀時が土方を見下ろしてくる。


「……なに」

「……槍でも降るんじゃねーか、今日」

「どういう意味だコラ。つーか俺、今日仕事なんだわ」

「……………………テメェ、嘘ついてんじゃねェぞ」

「なんで即嘘判定!?まぁ、大方の予想はついてたけどなその反応!!」


不貞腐れるような口を尖らせる銀時の様子を見る限り、本当に仕事なんだろう。
やべーな、地球滅亡すんじゃねーの、と内心で呟いてみたら、目敏く感じ取った銀時が柄の悪い顔でこちらを睨み付ける。
その反応に笑いながら、土方は銀時の腕を引っ張り込んだ。
不意打ちでバランスを崩す銀時を支えながら顔を寄せて噛み付くように口付ける。


「せいぜい稼いでこいや穀潰し」

「…なんでいちいち偉そうなのお前」


ムカつく、と少し照れたように毒づく銀時にくつくつと笑いながら、土方は銀時の髪に手を伸ばした。


(ある朝の風景)


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