Prologue
むかしむかしある村のはずれに悪魔があらわれました。
げんきがないようだったので村の少年がたべものをあたえてやりました。
げんきになった悪魔は少年と遊んでそのまま村にいついてしまいました。
村人たちは悪魔のせいではたらくことを忘れてあそびつづけました。
そこに祓魔師があらわれ悪魔をふうじこめました。
悪魔はいなくなりましたが村人たちは村のことも忘れてしまっていたので村はあれはてなくなってしまいました。
やがて人々はこの村のことをんすれてしまわないよう悪魔を祭って11年に一度お祭りをするようになりました。


「…懐かしい」
「そうだな。俺たちくらいの歳になると絵本なんか読まないからな」
「ちょうど11年前のお祭りの頃に読んだのが最後なので軽くストーリー忘れてました」

苦笑いをする私の隣で上司であり、聖騎士であるアーサーが社長椅子のような物に座り、絵本の表紙を眺めていた。
少しの沈黙が続き、耐えられなくなった私はそういえば、と口を開く。

「アーサーは今回年男に選ばれたそうですね」
「まあな、そうでなきゃ日本には足を運ばないさ」

アーサーは主にヴァチカンで働く祓魔師のため、中々日本には来ない。年男は、あの絵本に登場する悪魔を祀るために催される11年に一度のお祭りで大役を任される。前回の年男は一体誰だったのだろうかと記憶を巡らすも、当時はとっくに物心がついた学生ではあったが流石に年月が年月のため思い出すことは叶わなかった。

「あはは…。わざわざご足労頂きありがとうございます」
「何だか棘を感じるんだが…」
「いえいえ滅相もない」
「はあ…お前はシュラのように反抗期丸出しになってくれるなよ」
「善処します」
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