◇前書き◇
『君の在り処』の結末…といっても似たような話になってしまっただけの別物。しかし合わせて読んで頂けると幸いです(苦)
少々つじつまが合わなかったりしますが、そりゃ別物だから…と言い訳しつつ。しかし流れは同じです。セフィロスに死という名の安息を。

―――


ライフストリームに落ちて、全てを知った。

真実を知った今、貴方を許したいと思った。

あの時…ひとときの邂逅で見せた、貴方の面影を信じた。
憂いを帯びた、寂しげな横顔。
でもその顔はもうどこにも見えない。忘れてしまったかのよう…もしくは故意に捨ててしまったのか。


しかし、
なにもかもが、もはや遅すぎた。

私が真実を知ることも、貴方が全てを置き去りに突き進んだ道を戻ることも。


こうして今、『変わり果てた』貴方に立ち向かう。

ジェノバの力なのか、モンスターのように変貌したセフィロス。
巨大な肉体から繰り出される攻撃は圧倒的な破壊力をもって、ただでさえ悪い足場まで崩していく。
長期戦は体力的にも無理だと分かってはいるが、その力の前では攻撃をかわすのがやっとの有り様だった。
これだけ打ち込んでいるのにまるで勝てる気がしない、しかしその針先ほどの勝機を盲信する。その狂気にも似た光を、この場にいる誰もが瞳に宿している。


咆哮をあげて、全てを賭けて挑む。


届いているだろうか?
永久凍土に埋もれた貴方に。
祈りのような攻撃。
ひたすら貴方に届けと叫ぶような拳を叩き込む。

もはや人間のものではない瞳はセフィロスの顔で嘲笑う。
その奥に貴方自ら封じ込めた『セフィロス』がいるはず。
すぐ側で揺れるホーリーは『セフィロス』に似ている。ジェノバに全てを捧げ自閉した貴方が、それでも私には悲しいのだ。


私が今、与える『許し』は死。
貴方が向かう先は永遠の安らぎが続く場所と眠り。

その絶望に凍り付いた瞳に貴方はもう居ない。
永久に溶けない瞳のその中を泳いで貴方を見い出せたら、と叶わない夢を見た。


今、私の全てを賭けて貴方を安息の無へと導こう。
ともに行くことになっても構わない。


私は裁きの炎をもって全ての鎖を焼き切るだろう。
解き放たれた貴方は眠ればいい。
私の捧げる祈りと共に、永遠の腕に抱かれて。

思い出はただ懐かしく、鈍らせるけれど、それを理由にする私でもない。

もはや「何故」などと意味がなく、役にも立たない言葉はいらない。


貴方に死を!

それは、安らぎという名の。

-Fin-

―――

◇後書き◇
セフィロスは自分の意志をもって全ての行動を起こした、と考えていたのですが…どうも最近はジェノバの依り代的な存在だと考えるようになった。
肉体的にも細胞レベルまでジェノバに近しく、思考などもはやジェノバそのものだとしても。セフィロスの精神に共感する仕方ではなく、侵食とかだと 萌 え る ☆とか言う不健全かつそんなアレな発想。
セフィロスの言う『モンスターと同じ』という事実に耐えられなくて自閉した、本当のセフィロス。
そんな彼に触れて、終わりをもたらさんとするティファ。
この小説のティファは仇だとかの怨みの感情は昇華されていて、ひたすらに『許し』という名の死を振りかざす。それこそが綺麗事のオブラートに包んだ私怨や仇討ちだと人がいうとしても。
原作劇中、ティファの動機はごく個人的だしキャラクター的にもこの小説設定のティファは「どうだろう?」とは思うのですが…。
なんせ始めはセフィロスについて思いついた話だもんで。もっとセフィロスと接触して、結末としてこの話をもってくれば納得出来るかもなぁ…と長編小説とか無茶な夢を見る(笑)…無理っス!
なんだか説明不足…このセフィロスの設定は掘り下げられるかも知れない。ジェノバに食い潰されたセフィロス。
あと、タイトルは名作アニメ「攻殻機動隊」のサントラより拝借。曲を聞きながらめっちゃテンションあげて書いた。かっこいい。

ここまで読んで頂き、有難うでした☆
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