お題集 | ナノ
 COULD I HAVE THIS KISS FOREVER(レノ)

俺を見つめる視線は、相変わらず熱い。

「…ケイ、何か用か、と」

ツォンさんの厚意で、二人揃って非番を貰った。俺はベッドの脇で煙草を吸いながらケイを見やる。ケイは、ベッドに横になりながら、飽きることなくニコニコと、俺をじーっと見つめている。

穏やかで静かな夜。ケイの視線が熱いのは、いつものこと。

「用ならいっぱいあるよ」
「へぇ、何だ?」
「えっとねぇ、レノをぎゅってしたいでしょ、レノの側にいたいでしょ、レノと過ごす夜がもっとほしいでしょ、あと、キスしたい」
「…それはもう用事じゃなくてお願いだな、と」
「じゃあ、してくれる?」
「何が一番してほしい?」
「キス」

ニコニコと笑うケイ。やれやれ、と思いながらも、煙草を揉み消して、俺は覆いかぶさるようにしてケイの唇を塞いだ。深く深く、奥まで潜りこむような、キス。

「ン…っ」

ケイの甘い声が漏れる。少しだけ唇を離してから、もう一度、深く口付けた。

「……大人な味のキスだね」
「煙草の風味がいい感じだろ?」
「風味ってなによ」

クスクスとケイが笑う。可愛いから、もう一度深いキスを送ってやった。

「…今日のレノはキス魔だね」
「してほしいって言ったのはケイだぞ、と」
「そうだね、ずっとしててほしいから、キス魔なレノでいいよ」

そう言うと、ケイは俺の首にそっと腕を回した。誘われるように、俺はまた口付ける。何度も、何度も。

「………ずっとこうやって、いつでもレノと夜を過ごしたい」
「…それは、誘ってるのかな、と」
「うん」
「…今日は積極的だな」
「久しぶりだからね」

ケイは笑う。

「私、レノを愛するために生きてるんじゃないかなって最近思うの」
「俺にゾッコンなわけだな、と」
「ふふふ、そういうことだね」

ケイがいやらしく足を絡ませる。

「だからね、もっとレノのこと、全部全部、私に教えてほしいの。レノでいっぱいにしてほしい。他の誰も見えなくなるくらい」
「…そんなお願いされなくても、一生抱いててやるぞ、と」
「キスもたくさん、してくれる?」
「もちろん、忘れられないくらい、な」

そして俺たちは、再び夜に溺れていった。

COULD I HAVE THIS KISS FOREVER
(クッド・アイ・ハブ・ディス・キス・フォーエヴァー)

2011.07.09 修正

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