◎ COULD I HAVE THIS KISS FOREVER(レノ)
俺を見つめる視線は、相変わらず熱い。
「…ケイ、何か用か、と」
ツォンさんの厚意で、二人揃って非番を貰った。俺はベッドの脇で煙草を吸いながらケイを見やる。ケイは、ベッドに横になりながら、飽きることなくニコニコと、俺をじーっと見つめている。
穏やかで静かな夜。ケイの視線が熱いのは、いつものこと。
「用ならいっぱいあるよ」
「へぇ、何だ?」
「えっとねぇ、レノをぎゅってしたいでしょ、レノの側にいたいでしょ、レノと過ごす夜がもっとほしいでしょ、あと、キスしたい」
「…それはもう用事じゃなくてお願いだな、と」
「じゃあ、してくれる?」
「何が一番してほしい?」
「キス」
ニコニコと笑うケイ。やれやれ、と思いながらも、煙草を揉み消して、俺は覆いかぶさるようにしてケイの唇を塞いだ。深く深く、奥まで潜りこむような、キス。
「ン…っ」
ケイの甘い声が漏れる。少しだけ唇を離してから、もう一度、深く口付けた。
「……大人な味のキスだね」
「煙草の風味がいい感じだろ?」
「風味ってなによ」
クスクスとケイが笑う。可愛いから、もう一度深いキスを送ってやった。
「…今日のレノはキス魔だね」
「してほしいって言ったのはケイだぞ、と」
「そうだね、ずっとしててほしいから、キス魔なレノでいいよ」
そう言うと、ケイは俺の首にそっと腕を回した。誘われるように、俺はまた口付ける。何度も、何度も。
「………ずっとこうやって、いつでもレノと夜を過ごしたい」
「…それは、誘ってるのかな、と」
「うん」
「…今日は積極的だな」
「久しぶりだからね」
ケイは笑う。
「私、レノを愛するために生きてるんじゃないかなって最近思うの」
「俺にゾッコンなわけだな、と」
「ふふふ、そういうことだね」
ケイがいやらしく足を絡ませる。
「だからね、もっとレノのこと、全部全部、私に教えてほしいの。レノでいっぱいにしてほしい。他の誰も見えなくなるくらい」
「…そんなお願いされなくても、一生抱いててやるぞ、と」
「キスもたくさん、してくれる?」
「もちろん、忘れられないくらい、な」
そして俺たちは、再び夜に溺れていった。
COULD I HAVE THIS KISS FOREVER(クッド・アイ・ハブ・ディス・キス・フォーエヴァー)2011.07.09 修正
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