テキスト | ナノ

 高校一年の冬。ベッドの中でテツの服全部をひん剥いてゆるく引き締まった腹に手のひらで触れる。こいつはオレが触っていい奴なんだってもう一度思えるようになるまで時間がかかった。指先が少し震えているのが伝わってなければいい。
「テツ、……いれるぞ」
 テツの膝裏を持ち上げて、興奮している性器を後孔に押しあてる。ゆっくり腰を進めていくとテツがうっと唇を噛み締めて呻く。きつく引き結ばれたそれをちろちろ舌で舐めたら苦しいだろうに、テツは眉根を寄せて無理矢理笑う。
 何分と時間をかけて、ようやく自身の全部がテツの中に埋まった。根元まで全部がテツの中にある。テツがまたオレを受け入れてくれてオレたちふたりは繋がっている。ポタッ、と目から何かが落ちた。
「あ? ンだよ、これ」
「ん、はっ、あ、あおみねっ、くん」
 気づいたらオレは泣いていた。下瞼に溜まった涙がどうにもポタポタ落ちてきて止まらない。
「とまれよ、とまれってッ」
 格好悪くて訳分かんなくて、ついにオレはテツの体をがむしゃらに掻き抱いた。そうしたら奥を突いたみたいでテツの喉が「あっ」って鳴るのも、足を開いた無理な体勢にさせているのもどうにも構ってやれなかった。そんななのに息を整えたテツはオレの体に腕を回して頭とか背中を撫でてくる。「大丈夫ですよ」っていつもの柔らかい口調で言うみたいにオレを落ち着かせようとする。
 お前って昔から、そうやってどんなオレでも認めようとしてくれてたんだな。


2014.09.27(光と影が再び繋がった日)