テキスト | ナノ

 部活の休憩時、いつも通り体育館の床に倒れ込むと、「ンなとこかたくてちゃんと休めねえだろ」と言って青峰くんが膝をまくら代わりに貸してくれました。その心遣いはありがたかったのですが。
「どうだよテツ、寝心地は」
「何というか頭の後ろにすごく筋肉を感じます」
「そりゃひょろいテツとは鍛え方が違うからな」
 そんなことを平気で言うので、ボクは青峰くんの引き締まった太股を抓りました。
「いってえええッ! オマエっ、バカ痛えよ!」
 そう言って痛みに暴れながら、青峰くんはボクの頭が膝から落ちないようにずっと手で支えてくれました。そういうところが、優しいんですよね。


2015.09.26(そんなこと言って、キミ)