テキスト | ナノ

ねえねえ、知ってるっスか、第四体育館のオバケの話。これはオレがこのバスケ部に入る前に噂で流れてたらしいんスけどね……。夜な夜な、人がいないのにスキール音とボールの音が聞こえたらしいんスよ! 今はもうそこには出ないっぽいんだけど、たぶん他の体育館に移動したんじゃないかって誰かが話してて……。ああっ! 青峰っちも黒子っちもそんなに笑って、絶対信じてないっスね! 呪われてもオレ知らないっスよ! 

そうしてひとしきり笑った青峰っちは、悪戯っぽい笑みを浮かべてこう言った。
「バカだな、お前。第四体育館のオバケなんて、もういねーよ。今のそいつは、独りでバスケする必要なんてなくなったんだから。なあ、テツ?」


2015.02.02(第四体育館のオバケはね)