その日の夕焼けは、とても乱暴だった。部室の小窓から差す光は恐ろしいくらいに赤くて、それでいて美しく、赤司は機嫌が良かった。 「オレは黒子テツヤが好きだったよ」 部室は赤司と黒子のふたりきり。ほかにはもう誰もいない。 唐突な告白に黒子は驚いたのか口を開きかけてすぐ閉じた。確かに、自分が愛情を言葉にするのは、互いに好き合って初めてのことだ。黒子は夕日が眩しそうに、または真実を透かすように目を細める。 赤司は続けて言った。 「僕は、黒子テツヤが好きだよ」 「それはさっきも聞きましたよ」 「ふふ、そうだったか。まあ良い。途中まで一緒に帰ろう、」 そう言って赤司は鞄を手に取り、愛しい彼の名前を呼んだ。 2018.08.07(キミはどっちだと思う?) |