テキスト | ナノ

 ほくほくと食欲を刺激する匂いのするなか、いただきますと手を合わせて箸を取る。エプロン姿のタイガが、いっぱい食えよとすかさず返事をくれた。
「めし、美味いか、タツヤ?」
「ああ、タイガの作ったおかずはどれも絶品だよ」
「へへっ! おかわりするんならまだあるからオレに言えよな」
「ああー……うん、でもオレはもうお腹いっぱいだからおかわりはいいかな」
「そっか……」
「タイガ……。……やっぱりもう少しだけおかわり貰おうかな」
「そっか! おう、待ってろよタツヤ!」
 タイガが嬉しそうならもうちょっと頑張ろうか。


2016.09.04(お前の味噌汁が飲みたい)