ことばあそび



「お前たちさ、一体俺に何回頭下げさせれば気が済むの?ねえコレってもしかして教師いじめ?」

「いえ、先生。これにはれっきとした言い訳がありましてね、聞いてくれますか?」

「れっきとした言い訳なんて聞きたくアリマセン。お前ら反省って言葉知ってんの?」

「いやだわ、先生。生徒の言葉を信じるのが教師としての役目じゃありませんか」

「お前らさ、高校生って設定覚えてる?本編では色々と許されることもコッチじゃ許されないの!」

「あら、私はアッチでも18歳なんですけど・・・」

「俺は…20代後半だったか?」

「はい、裏話はいいからね。志村姉はキャバクラでバイト、土方は屋上で喫煙、どっちも18歳は禁止されてんですけど、わかってんの?」

「先生、アッチでも私キャバ嬢ですよ?」

「あっちはあっち、こっちはこっちのルールってのがあるの。高校生は夜の蝶になってはイケマセン。青少年育成条例にひっかかります」

「なんで煙草吸っちゃいけないんですかー」

「なんでって、そりゃあお前アレだよ。身長が伸びなくなるとか身体に悪影響をだなぁ」

「十分身長伸びたんで煙草吸ってもいいですか?」

「ダメだっつってんだろうがマヨ方。俺を首にしてーのか、ああん?!せめて学校で吸うのやめろや。敷地から一歩出てから吸えや」

「先生は吸ってよくて俺がダメな理由がわかりません。わかるように説明してください」

「未成年はダメなんです。文句なら総理大臣に言えや。まあそういうわけでだなぁ、お前たち2人は警告を無視し続けてキャバクラで働くわ煙草吸ってるわなんで反省しなさい」

「反省って?」

「そーだなぁ。みんなの前で罰ゲーム?今度のLHRでみんなを驚かすことをやりなさい、以上」

「は?何やれってんだよ」

「そうですよ、せめてコントとか劇とか言っていただかないと」

「おめーらにまかせる、んじゃな」


******

「というわけで、志村姉と土方の罰ゲーム大会を開催する」

「先生!」

「なんだヅラ」

「ヅラじゃありません桂です。2人しかやらないものを大会と称するのはおかしいと思います」

「うるせー。俺が大会ったら大会なんだよ。はい、お2人さんあとよろしく」

「姉上、一体何を…」

「驚かせることするって言ってたネ」

「土方ァ、さっさと始めろィ」

「土方くん」

「あ、始まったアル。愚民ども静かにするネ」

「みんなの前でごめんなさい」

「いや、それよりどうしたんだ?」

「大事な話」

「志村…」

「来年の春、私たち離れ離れになるわ」

「…お、お妙さん?」

「シッ、誰かゴリラの口塞げヨ」

「オイ志村弟、ハンカチ貸せィ。近藤さんの口ん中に詰め込んでやらぁ」

「それ、下手したら死ぬからね。とりあえずガムテープで塞いでおくけど」

「お前もそこそこ酷いことする奴ネ…」

「わかりきったことじゃねえか。俺達は高3だし、卒業したらみんなバラバラになるだろう」

「うん、わかってる。でもね…私、土方くんと離れたくないのよ」

「よって言われてもな」

「なんでって聞かないのね」

「寝言は寝てから言え」

「ええ、わかってる。…あの日のこと、覚えてる?」

「ルール違反だろ、そのこと言うのは」

「初めてで、最後だった」

「頼むから、言わないでくれ。俺だって何もなかった振りしてんの辛いんだ」

「だから打ち明けましょうって言ったじゃない」

「言えるかよ…。俺ぁあの人を傷つけたくねえ」

「ええ、あなたはそういう人。分かってる、だけど…」

「どうしろってんだよ俺に」

「逃げてばかりじゃ、幸せになんかなれない」

「言ったところでどうにもなんねえさ。あの人はお前を諦めない」

「いいえ、そんなことない」

「いや、お前はあの人のことを深く知らねえからそう言えるんだ」

「だって…私あなたの子供が出来たんです!」

「「「「「「ぶっ!!!!!!!!!!」」」」」」

「あ、姉上ー?!」

「誰か新八の口塞げヨ、今一番いいとこなんだから!」

「んーんんー!!!!!(訳:トシぃ?!)」

「ゴリラは気絶させてあげたほうがよさそうアル。真実は時として人を傷つけるアル」

「何人生悟ったようなこと言ってんでィ」

「すべてはあの夜、私たちが結ばれたときから動きだしていた」

「確かめたのか?」

「簡単に言うのね。1人でずっと悩んでいた私のことなんかどうでもいいんだ」

「だってよ、悩んでたって仕方ねえじゃねえか!俺も一緒に行くから、な?」

「悩んで悩んで、すごく怖くて、どうしたらいいのかわからなくて…。でも土方くんに言ったら負担になるんじゃないかって…」

「てめー1人で抱え込んでんじゃねえよ。俺にだって責任はあるんだ。一緒に病院行こう?」

「うん…」

「「「「「「…マジでか…」」」」」」

「んーんんんー!!!!(訳:お妙さぁぁぁぁんっ!!!)」

「ぶはっ!!!姉上!僕はそんなふしだらなこと許しませんよっ!だいたい土方さんも土方さんです!姉上といつの間に、そっそんなふしだらな関係になってたんですか?!」

「姉御、おめでたアルか?マジで?!」

「土方コノヤロー。手だけは早いんでさぁ」

「…お前らさぁ…。いくらなんでもやりすぎじゃね?それともホントの話?」

「志村の負けだな」

「あら…、しくじったわ。つい“うん”って言ってしまったわ」

「俺の勝ちだ」

「もう、悔しい」

「…あのー、何の話ですか?勝ちとか負けとか…」

「あ?文章しりとりで寸劇しようって志村が」

「そうなの。最初の言葉だけ決めておいてあとは相手の言葉尻から繋げていくのよ。意外と難しいんだから」

「…じゃあ、子供は?」

「そんなものいるわけないでしょう?」

「「「「「「あ、そー…」」」」」」


fin

20081018





七羽様のところでちょうど1万打に当たり、キリリクで書いていただいちゃいました!
(グッジョブ私!)←
土妙ですよ!しかも3Zですよ!
読んでてニヤケが止まりませんでした!
七羽様、素敵なお話をありがとうございましたv






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