<同級生設定銀←妙> いつからかしら、彼を目で追うようになったのは。別に、コレといってかっこいいわけでも、かといってカッコ悪いわけでもなくて。けして地味というわけでもないんだけど。いつの間にかそんな彼を見つめる私がいる。今は数学の時間で、眠たいのか、授業が嫌なのか(きっと両方)彼は虚ろな目で体を机に預けている。彼を見るうちに私も眠たくなってしまったのは少し不覚だったけれど。 「坂田くんて、数学が嫌いなの?」 「…別に?」 「そう、」 話したことも、ちゃんと向き合ったこともなっかた。だけど、話しかけるなら今しかない。そう思うと自然と言葉がでた。だった3文の短い会話で終わったけれど。それはそれでいい。授業はとっくの昔に終わっていて、残されたのはテストが近いから自主勉のために残った私と、授業の寝過ぎで担任に怒られ残された貴方。教室には淡い橙色の光が差し込む。いきなり話しかけて変に思われたかしら?ううん、たぶん今更、もう遅い。 「志村さんはマジメだよね」 「どうして?」 「授業、どんなに眠たくても寝ないじゃん」 「そう、ね」 今日は危うく、あなたのおかげで寝てしまうところだったけれど。なんて言葉は絶対に言えないけど。彼の机には先生に渡されたプリントの山。 「プリント多いわね」 「ん、あのハゲ調子に乗って10枚も出しやがった。」 「手伝うわ」 そう言って机に近づくと少し口尻を上げる彼がいて。どうしたの?と聞くと 「いつも思ってたけど、志村さん、優しいのな」 「そんなことないわよ」 空がオレンジ色であることにコレほど感謝する日がくるなんて。"いつも"なんてホントに?私が知る限りではあなたは私なんて見たことないくせに。そんな悪態、つこうと思えばいくらでもつける。でも、もう少し。せめて10枚のプリントが終わるまで。自惚れててもいいかしら? 知る事実。 まち様より、1万打のお祝いをいただきました☆かわいいッス>< まち様、どうもありがとうございましたv |