冷やし飴/学生妙陸銀坂




「何飲んでるの?むっちゃん」

「冷やし飴じゃ」

「ひやしあめ?」

「おんしは知らんか?麦芽っちゅう水飴ば水で薄めて、生姜を入れたもんじゃ。そういや東の方ではあまり見かけんろー」

「えぇ、初めて見るわ。‥ね、ちょっともらってもいい?」

「えぇよ、ホレ」

「いただきます」

「お、何飲んでんの?」

「冷やし飴じゃ」

「ほぅ!やっぱり夏はこれやき。陸奥、ワシにもくれ」

「おんしにゃ昨日やったじゃろ」

「え、何?ひやしあめって何?」

「水飴を薄めて生姜を入れたものですって。甘くておいしいわ!」

「水飴を薄めるぅ?勿体ねーなァ、薄める必要ねーだろ。そこは原液でいっとこうぜ」

「アッハッハッハ!そんなもん飲めるのは金時だけじゃけー」

「銀時だっつってんだろ、いい加減に人の名前ちゃんと覚えやがれ」

「無駄じゃ、坂田。コイツは一度覚え込んだら修正がきかないきに」

「でも、坂本くんの言う通りね。水飴原液なんてもはや飲み物じゃないわよ」

「お前の作るかわいそうな卵より、はるかにマ‥ウグハァッ」

「結構甘いけど、さっぱりしてるのね‥生姜が入ってるからかしら」

「そうじゃき。バテた時は、これが一番効くんじゃ」

「確かに、元気が出そうね。今度ウチでも作ってみ‥」

「俺にもくれよ」

「あっ、ちょ‥っ!」

「え?何かマズかった?つーかコレ結構イケるな〜水飴100%でもイケるってコレ」

「ズルいぞ金時!ワシにも一口くれ」

「お前は水でも飲んでろ」

「テメーもだよ!それ、むっちゃんのなのよ!」

「まだあるから構わんぜよ。ムサい男共が口付けたヤツは、もう飲む気がせんし」

「ラッキー!」

「やっぱり陸奥んとこの冷やし飴はうまかー」

「何だか悪いことしちゃったわ‥ごめんね、むっちゃん」

「あぁ、気にせんでええよ。よかったら、また持ってくるきに(坂田は多分、確信犯じゃな)」

「ありがとう!今度作り方教えてね!」

「おぅ」





グダグダなまま終わり。


(080827)



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