飛んで火に入る男達




「大きくなれば完璧なのになァ」

「そうじゃねーだろ形だ」

「2人とも何の話?」

「わかってねェな。大は小を兼ねるんだよ」

「わかってねーのはお前の方だ。大きさと形は比例しねェ」

「つーかお前もさァ、心配なんじゃねーの?俺に任せておけって!でかくしてやっから」

「どさくさに紛れて何言ってんだ、ふざけんな!大丈夫だって志村!俺は小さくても気にしな…」

「誰が何だって?あァ!?」

「「スンマセンでしたァァァ!!」」

「貴様らは大きさや形ばかりに捕らわれ過ぎだ。大事なのは全体のバランスだと言っているだろう。志村さんもそう思わんか」

「ふふ…あなたの頭の中も沸いてんのかコルァ」

「テメェこそバランスに捕らわれてるんじゃねーのか、ヅラ。だから大事なのは感度だっつってんだろ?」

「…っや、あ!」

「ほらな?」

「なっ、何するのよ!そんなにお前らも涅槃に送られたいかゴルァァ!!」

「「グハアッ」」

「高杉、そんなに志村さんを怖がらせちゃいかんぜよ!もっとこう、優しグボォ!」

「君達、いい加減にしろ!!妙ちゃんが泣いたらどうするんだ!」

「お前ら全員、私達があの世に送ってやるネ!」


《逝ってらっしゃい》イベント、発動。
その攻撃力は凄まじく、後には草も残らなかったという。
無事だったメンバーが仲間を回収に来たのは、その20分後だった。


「あ、みんな生き残ってらァ」

「さすがというか、人間超えてますね」

「いやーすげェなあの3人娘。あれは俺でも逃げられそうにないわ」

「派手にやられたぜよ、アッハッハッハッハ」

「笑い事じゃねーんだよ!ちっともおもしろくねーんだよ!おー痛ェ」

「ったく、何であんな自爆行為にノッちまったんだ、俺のバカ」

「過ぎたことは仕方あるまい。次に活かせばいいことだ」

「…で、どうだったんだ?鬼●郎」

「あァ?何が」

「何がじゃねェよ高杉。てめー触っただろうが」

「あァ…思ったよりも、……」

「思ったよりも何でィ」

「クク、お前らも触ってみればいいんじゃねェかァ?」

「「「「んだと、コルァァ!」」」」

「よしっ!じゃあ俺ちょっと確認してくる!」

「やめろって、あぁ…もう俺知らねー」

「後で、俺が骨を拾いに行きまさァ」



(080323)



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