夏衣談義




「あー‥やっぱ、かったりーなァ授業‥てめっ、俺のポテト持ってくな」

「さっき俺のナゲット食ったのはどこのどいつだァ?そんなモン、テキトーにサボりゃァいいじゃねェか」

「そうですかィ?学校もそう捨てたもんじゃねーですぜ」

「珍しいっちゅーか、らしくないこと言いよるのう。どこがどう捨てたもんじゃないんじゃ?」

「‥今月で見納めですぜィ?」

「「「‥‥あー」」」

「夏服に変わる時って、ちょっとときめくよな。そして夏服シーズンが終わると、なんか切なくなるよな」

「布地が厚くなる分、ガードが固くなるような気がするんでさァ」

「それと、夏服の無防備さが目に鮮やかすぎるんじゃけェ」

「クク、はっきり言えよお前ら。要するに透過率が変わるからだろ?夏服の醍醐味だよなァ」

「言っちゃったよコイツ。管理人が必死扱いて文学的表現を捻りだしてたのに、ぶっちゃけちゃったよコイツ」

「問題ないわ、最初から成功しとらんけェの。猿飛や来島みたいに髪が長いのも悪くはないが、志村みたくまとめてるのがベストじゃな」

「授業中なんて特にチャンスタイムだぜィ?狙い目はやっぱり古文でさァ。あの志村さんでさえ、時々ウトウトしてるし」

「え、志村はガード固いんじゃねェの?たまにいるじゃん、下にも何か着てるヤツ」

「柳生やチャイナみたいにかァ?だが志村はああ見えて、意外と無防備だぜェ?」

「‥なんで、んなことテメェが知ってんだよ」

「お前がちゃんと見てねェだけだろ。意識しすぎなんじゃねェかァ?ガキみてェ」

「何だとテメーやんのかキタロー!!」

「まぁまぁ落ち着いてくだせェ、2人とも。会長は古文の授業、寝過ぎなんでさァ」

「そういや、今朝近藤を潰した時は久々にスゴかったのう。志村が飛び蹴りすんのは珍しいわ」

「絶対領域も健在でしたねィ」

「どうやってるんだろうな、アレ。つーか近藤も懲りねーよなぁ‥ある意味勇者だよ。勇者ゴリだよ」

「アレは一種のプレイみたいなモンだろ‥」

「土方君、君はまだわかっていないようだな」

「あァ?そりゃテメェの方だろ」

「「「‥‥?」」」

「伊東と土方じゃな」

「あれ、近藤さんもいるや」

「ヅラや坂本まで‥何やってんのアイツら」

「クク、白熱してんなァ」

「ポイントは二の腕だと、何度説明すればわかるんだい?わかってはいたが、頑迷な男だ」

「それはテメェの方だ、その石みてーな固い頭をどうにかしろ。絶対に足だっつってんだろうが」

「ハッ、随分俗っぽい目で見ているものだな。その分だと、あの華奢な手首に漂うエレガントさもわかるまい」

「フン、テメェこそマニアックすぎるんじゃねェのか?その分だと、志村の脚線美が繰り出す蹴りの見事さもわかんねェんだろうな」

「オイオイ、2人とも熱くなりすぎだぞ?落ち着けよ〜!志村さんは蹴りだけじゃなくて、パンチもハンパないぞ!」

「知ってるっつーの‥誰かのお陰で、毎朝その威力を目の当たりにしてるんだからな」

「君を見れば一目瞭然だよ、近藤君。ある意味尊敬の念を禁じ得ないね」

「そっ、そうか??」

「‥ソレ、褒められてねーからな近藤さん」

「まぁ、2人の言い分もわからぬでもない。だがもっと全体を見たらどうだ?特に、夏服を装備した志村さんのトータルバランスは絶妙だと思わんか?」

「おんしは本当にバランスにこだわるの〜わしは断然、あの綺麗な肌や髪じゃき。夏服にもよう映えとる」

「確かに夏服の効果は大きいな!志村さんのパンチも、ちょっと軽やかになった気がする」

「それは本当にそんな気がするだけだよ近藤君。ちなみに、夏服の透明感は彼女にピッタリだ」

「‥‥そういや今日は、白だったな」

「オイ、何でてめーが知ってんだ?多串くん」

「あん?てめェこそ何でここにいんだよ」

「昨日はパステルブルーだったよなァ。だったら明日はピンクかァ?」

「花柄もそろそろなんじゃねーですかィ?」

「あぁソレ、この前新調してたヤツだろう‥って、何でお前もそんなこと知ってんの総悟?」

「一般男子の嗜みでさァ」

「今日は古文もあったからな。やはり一番は白だろう」

「花柄やレースも捨てがたいな。それと僕としては、席替えをしてもらいたかったね」

「伊東は前の席じゃからなァ。ワシは今のままで構わんが‥淡いオレンジもいいと思う」

「ほぅ、オレンジもあったがか?新色かのう!りょうちゃんといる時もチャンスぜよ。ただ、りょうちゃんはガードがちと固いきに、切ないの〜」

「ナンバーワンは断トツでピンクだろーが!アレだな、夏服はやっぱりブラのみでの装備を基本にし‥」

「何の話をしてるのかしら?あなた達」

「人様の姉上を肴にするなんて、随分良い根性してますねお前ら」

「‥思春期男子の頭の中は、どうしようもない事でいっぱいなんだな」

「姐御のブラチャンス狙うなんて、10年早いアル!」


最凶コンボ、完成。
男たちがこの後に待ち受ける粛正の嵐から逃れる術は、なかった。


「‥俺、あそこにいなくてよかった。っていうかさァ、もしかしなくても俺たちって‥かなり頭悪い?」

「うん、残念ながら否定できないね。あーあ、店メチャクチャ‥長谷川先生に連絡しとこう」



※真木さん(雨とオレンジ色)の素敵日記で閃いた小話。
よろしければ、真木さんに捧げます。
素敵ネタ使わせてくださって、ありがとうございました!


(080920)



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