「‥そんなところで何してるのん?全蔵」 「おー、ちょっとしたリサーチ的なこと」 「周りから激しく浮いてるわよん」 「いやー女の子が喜ぶものがよくわかんなくてさァ」 「また例の活動?あんまりしつこくすると、嫌われちゃうわよん」 「あー大丈夫大丈夫。本気出して届けてるから、絶対バレねぇよ」 「どうだか‥あの子、あれでなかなか鋭いみたいだけど」 「せいぜい気をつけるよ。それよりもさァ、イソフラボン的なものを活性化させるのって何かねェ?」 「はぁ?イソフラ‥?」 「あ、ちょ、違うよ?俺1人の考えじゃなくて、メンバー全員の総意なんだよ?」 「‥でしょうねん(頭の悪い集団だと思ってたけど、ここまでとは思わなかったわん)」 「食い物系は一通りやったから、今度はちょっと違うものでいきたいんだよね」 「そうねん‥だったら、お茶とかはどうかしら?いろいろ選べるわよん。紅茶とかハーブティとか」 「なるほど」 「アロマキャンドルとかもいいかもねん。リラックスできるし、綺麗なものがたくさんあるのよん」 「それもいいなァ」 「うちの花屋にも、結構いろいろ揃ってるけど」 「え、マジ?ちょっと見せてもらおうかな」 「構わないわよん(ウフフ、毎度あり〜)」 「‥さて、今回はどうやって届けるかな」 「おはよう、服部くん」 「おぅ、おはよ‥アレ、今日は休みなの?弟」 「そうなのよ、風邪引いちゃったみたいで」 「こんなに暑ィと、バテて抵抗力も落ちそうだよな〜‥あ」 「どうしたの?」 「ちょうど良いや。コレ、志村さんにやるよ」 「ハーブティー‥?」 「弱ってる時に効きそうじゃね?お中元でもらったんだけど、1カ月経ってもなかなか減らなくてさァ。もらってくんない?あとコレも」 「あ、ありがと‥最近のお中元って、随分洒落てるのね。このアロマキャンドルもすごく素敵だわ!女の子のプレゼントみたい」 「さ、最近ブームらしいんだよ」 「そうなの‥フフ」 「(何かバレてる?いやいや、まさか)‥それよりもさァ、今日は逃げ切れないかもな」 「え‥?」 「駅ビル、昨日からバーゲンやってるしなァ。でもさァ、1人で買いに行くよりも逆にいいかもしんないよ?」 「何の話かしら?服部くん(にっこり)」 「昨日聞こえてきたロッカーの話(ヤベェ、しくじった)」 「そう‥服部くんにも聞こえていたのね?」 「ちょ、なに志村さん、その握り拳」 「大丈夫よ、服部くんの頭から昨日の記憶をふっ飛ばすだけだから。すぐ済むわよ」 「(ヤバい、こうなったら攻撃が最大の防御だ)何だよ、昨日のこと気にしてんの?」 「べ、別にそんなんじゃ‥」 「俺は、志村さんくらいのが好きだけど」 「なっ‥!」 「アレ、照れちゃった?やっぱ志村さんは、かわいーわ」 「だから、別にっ‥!」 「みんなわかってないよなァ。一番重要なのは、恥じらいだって。初々しさとかかわいさっつーのは、全部そこから出てんだよ。胸のサイズなんてのはオプションみたいなも‥」 「テメェも自分の言動を恥じらえやァァァ!!」 「ブゴホォ!!」 差入係、討死。 妙が教室に姿を消すと同時に、それまで例の如く成り行きを監視していたメンバー達が、見事なアッパーを食らった服部を回収した。 (ちなみに鉄拳制裁が微妙に手加減されていたため、改めてメンバーからフルボッコの洗礼を受けたという) 「イテテ‥少しは手加減してくれてもいいんじゃねェの?」 「距離が近過ぎなんだよ」 「手加減されちょったしな。照れてるところ、かわいかったの〜」 「この程度で済んで良かったじゃねーか。副会長や測量係がいたら、トドメ刺されてたぜィ」 「お前らだって、トドメ刺そうとしてたじゃねーか!‥まぁいいや。てなわけで、今回は俺の方で仕入れちゃったよ」 「ハーブティーにアルマジロとは、また斬新な組み合わせじゃのう!」 「アルマジロじゃなくてアロマキャンドルな」 「意外と良かったかもなァ。そういや最近、あんまり暑いのが続いてるから、食欲なくて拳に力が入らねーって情報がありやした」 「ちょ、マジ!?食欲不振はエボリューション(※進化)に響くじゃねーか!食い物の方が良かったんじゃね?」 「うーん‥だがそれ以前に食欲がないんじゃろ?だったら、元気が出てきそうなアルマジロの方が良さそうっちゃ」 「ちなみに、全部でいくらだったんでィ?」 「6千円」 「「高ッ!!」」 「じゃあ、そこから心得違反金を差っ引いて‥服部に返すのは、500円ってとこだねィ」 「ちょ、待てェ!その計算はおかしいだろ!心得違反金って何だよ、そんな設定聞いてねーよ!」 「そうだぞ、会計。いくらなんでも差入係が気の毒だ。600円にしてやれ、そうすりゃジャンプ3週分買えるだろ」 「100円しか上がってねーだろォォ!しかもジャンプは基本220円だから、3週分も買えねーよ!!」 結局、志村さんが喜んでいたということで副会長の決裁が降り(何なんだよ、TMMって会社!?:差入係の叫び)、服部くんの自腹分は無事精算してもらえたとか。 (080830) |